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バスケWリーグ・ENEOS、12連覇へ「走り続ける」

Wリーグ開幕前の記者会見でガッツポーズする(左から)ENEOSの渡嘉敷と岡本、富士通の町田瑠唯と篠崎澪(11日)

バスケットボール女子のWリーグが18日開幕する。11連覇中のENEOSが今季も優勝の大本命だが、長年チームを支えてきたガード吉田亜沙美が選手登録をしなかった。その穴の大きさを誰よりも知るエースの渡嘉敷来夢は「一人ひとりが自覚と責任を持って頑張っている。走り続けて、勝ち続ける」と強調。自らのプレーと言葉で、これまで以上にチームをけん引するつもりだ。

「ガードが代わったこともあり、最初は合わないこともあって大変だったが、私たち2人が引っ張っていけるようコミュニケーションを取っている」。11日に行われた開幕前の記者会見。ENEOS主将の岡本彩也花が現状を前向きに語ると、隣に座る渡嘉敷も力強く言葉を続けた。「開幕戦から楽しみにしていただけたら。(自身も)本当に良い準備ができている」

新型コロナウイルスの影響で途中打ち切りとなった昨季、渡嘉敷はリーグトップとなる1試合平均21.75得点を挙げ、6年連続でMVPを獲得した。身長193センチの高さと機動力、シュート力を兼ね備え、国内では敵なし。この29歳を筆頭に岡本、シューターの宮沢夕貴、林咲希らタレントぞろいの攻撃陣の力を引き出してきたのが、卓越した吉田のゲームメークだった。

今季の渡嘉敷はこれまで以上にチームをけん引するつもりだ=日本バスケットボール協会提供・共同

特に渡嘉敷と吉田はチームで約10年コンビを組み、ボールを呼び込めば、そこに寸分たがわぬ正確さでパスが通るという関係を築いてきた。現在32歳の吉田は、ベテランと呼ばれるようになっても視野の広さや判断力に衰えは感じられなかったが、昨年3月に現役引退を表明。その後に東京五輪出場を目指すとして撤回したものの、五輪の1年延期を受け、去就を明らかにしないまま、今季はWリーグでプレーしないことが決まった。

さらにENEOSでは、吉田の後継と期待されてきた藤岡麻菜美も度重なる故障のため昨季終了後に引退。最重要ポジションのポイントガードが2人同時に欠けることは緊急事態に違いないが、だからこそ今季のメンバーには高い向上心や積極性がみられると梅崎英穀ヘッドコーチは言う。「(吉田の不在を)考えてしまえば大きいが、良い意味で競争ができている。まわりの選手で補っていけるはず」

その指揮官が主将の岡本とともに「練習で特に高いリーダーシップを発揮してくれている」と話すのが渡嘉敷だ。嫌でも吉田と比べられる後輩に、思い切りよくプレーさせる狙いなのだろう。「ミスを恐れず、どんどん出して。どんなパスでも取るから」。ポイントガードでの先発が見込まれる25歳の宮崎早織には、こんな言葉がけを繰り返しているという。

多くのチームと同様、新型コロナの影響で始動は遅れた。ただ、例年なら主力の多くが参加する日本代表活動も中止になったことで、夏場から全員で連携を深められていることはプラス要素だ。渡嘉敷もこの間、休むことなく個人練習を継続してきたといい、8月の日本代表の紅白戦では重点的に取り組んできた3点シュートも成功。攻撃の幅がさらに広がっている。

今季は感染予防策として初めて東西2地区制が採用された。全12チーム総当たりだった昨季までと異なり、各地区6チームによる4回戦総当たりに変更。西地区のトヨタ自動車やトヨタ紡織、デンソーといった強豪とはプレーオフで初めてぶつかることになる。他チームはこれまで以上に「打倒ENEOS」でぶつかってくるはずで、リーグ戦で結果を残しながら中堅や若手の底上げもはかり、隙のないチームスタイルを確立できるかがカギになるだろう。

18日の開幕戦でぶつかる富士通は昨季も初戦で対戦し、唯一の黒星を喫した相手だ。「(20得点したものの)負けたのは自分のせい。今年は自分のおかげで勝ったと言ってもらえるようにしたい。昨季は中断して悔しいシーズンだった分、今季爆発させたい」と渡嘉敷。常勝チームの新たなスタートの場で、圧倒的な存在感を見せつけるつもりだ。

(鱸正人)

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