両備グループ、高松―小豆島フェリー会社の経営権取得
公共交通を手掛ける両備グループ(岡山市)は11日、高松―小豆島のフェリーを運航する内海(うちのみ)フェリー(香川県小豆島町)の経営権を取得したと発表した。2021年4月1日に、同グループの高松―小豆島航路に集約する。新型コロナウイルスの影響で利用客が減る中、経営効率化につなげる。

グループ傘下の国際両備フェリー(岡山市)が8月31日付で、内海フェリーの小笠原基晴社長から全株式を取得した。取得額は非公表。国際両備フェリーの田辺学専務執行役員が社長を兼務し、船員11人を含む全従業員を引き継いだ。
内海フェリーは島南部の草壁港―高松港で1日5往復運航している。4~8月は旅客が前年比で6割減少。7月は運賃収入1800万円に対し、1000万円の赤字だった。新造船の導入が重荷となり、月2000万円の赤字が見込まれるとして、7月に正式に支援を要請していた。
同社の航路は21年3月31日をもって休止し、当面は船の貸し渡しを担う会社として存続させる。4月以降は草壁港から約8キロ西の池田港と高松港を結ぶ、国際両備フェリーの航路に集約する。同航路は現在の1日8往復から10往復になる。
両備グループの小嶋光信代表は記者会見で「人口減に新型コロナが加わり、コロナの収束後も利用客が10~20%減ると見込んでいる。長期的に航路を維持できるよう再編に踏み切った」と説明。池田港からの航路の方が高松まで短く、運賃もほぼ一緒など利便性が変わらない点を強調した。コロナ禍で公共交通は苦戦が続いており、今後も再編の動きが出てきそうだ。

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