派閥とは?
自民党総裁選ドキュメント

派閥は自民党内の政策集団を指す。政策や理念を共有する議員が集まり、現在は7つの派閥がある。細田派や岸田派のように派閥を率いる領袖の名字をとって「○○派」と呼ぶことが多いが、細田派は清和政策研究会、岸田派は宏池会といった正式名称がそれぞれにある。最も歴史が浅いのは2015年に結成した石破派だ。
1955年に保守合同で結党した自民党は翌56年の総裁選で、「8個師団」と呼ばれる8派閥が総裁ポストを争った。60年代から70年代にかけて「三角大福中」と呼ばれた福田派、田中派、大平派、中曽根派、三木派の5大派閥に収れんされた。1つの選挙区で複数人が当選する中選挙区制では同じ選挙区で自民党同士が争うため、派閥が議員の後ろ盾となった。
選挙の際は派閥が政治資金を提供し、内閣改造・党役員人事ではポストの確保に影響力を持った。平成の政治改革で94年に衆院で1選挙区で1人しか当選できない小選挙区制が導入されると、同じ党で争う必要はなくなった。党執行部が公認権を握るため派閥の力は衰退したとの指摘もある。派閥には所属しない議員や派閥ではない複数のグループを掛け持ちする議員もいる。菅義偉官房長官はかつては派閥に所属したが古賀派を退会した後は無派閥で活動する。