中印、国境巡り対話継続で一致 早期の軍撤収課題

習政権
中国・台湾
2020/9/11 16:11
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中国の王毅(ワン・イー)外相(右)とインドのジャイシャンカル外相はインド北部での緊張緩和を探る(10日、モスクワ)=ロイター

中国の王毅(ワン・イー)外相(右)とインドのジャイシャンカル外相はインド北部での緊張緩和を探る(10日、モスクワ)=ロイター

中国の王毅(ワン・イー)外相とインドのジャイシャンカル外相は10日、訪問先のモスクワで会談した。インド北部の係争地域での軍事的緊張を緩めるため、対話をつづけ、現場部隊の接触を避けるべきだとの認識で一致した。中印両軍の早期撤収につなげられるかどうかが課題になる。

係争地のラダック地方には中印あわせて約10万人の兵士が集まっているとの観測がある。6月の衝突ではインド兵20人が死亡した。8月からは同地方の湖パンゴン・ツォの南岸でも対峙し、「(国境紛争が起きた)1962年以来で最も深刻な状況」(ジャイシャンカル氏)とされる。会談は事態悪化を防ぐための緊急措置の色彩が濃い。

中印両外務省の発表によると、両外相は「互いの国境部隊は早期に撤退して距離を保ち、現地の緊張を緩和すべきだ」との認識で一致した。国境での銃火器の使用を禁ずる取り決めに引きつづき従うことも確認した。「情勢緩和にともない、できるだけ早く(具体的な撤収計画の策定など)新たな措置をとる」ことでも合意した。

ラダック地方は平均標高が3000メートルを超え、冬には気温が氷点下になる。にらみ合う両軍部隊は撤収するか現地で越冬するかの判断を迫られている。現地で越冬すれば厳しい寒さで凍死者も出かねない。中国共産党系の環球時報(英語版)は今回の会談について「冬が来る前に平和的に緊張を緩和できる最後のチャンスだ」と伝えた。

インドメディアは11日、中印両軍の司令官が数日以内に包括的な軍隊の撤収案について議論する可能性を指摘した。中国は係争地域で5万人以上の兵士に加え、戦車、航空機、ミサイルなどを配置しており、撤収が早期に進むかどうか不透明とも指摘している。

中印の外相は6月の衝突直後にも電話協議した。このときも部隊の離脱や国境地域の平和を守ることで一致したが、部隊の完全な離脱にはいたっていない。9月4日には中国とインドの国防相もモスクワで会談したが、7日にはパンゴン湖の南岸で「相手が威嚇射撃した」と互いに非難し合う事態となった。中印国境での発砲は45年ぶりだった。(馬場燃、北京=羽田野主)

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