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商船三井、モーリシャス支援に10億円 基金設立

(更新)

インド洋の島国モーリシャスで大型貨物船が座礁し大量の燃料油が流出した事故を巡り、商船三井は11日、都内で記者会見を開いた。池田潤一郎社長は「関係される皆様に改めておわび申し上げる」と陳謝。現地の関係機関と連携し、マングローブやサンゴの環境保護や被害からの回復に努めると説明した。

座礁した貨物船は商船三井が手配した。7月25日の座礁事故後に池田社長が公の席で発言するのは初めて。

商船三井は同日、モーリシャスのマングローブ林の保全や植林、座礁船が傷つけたサンゴ礁の回復、海鳥の保護などの財源として「モーリシャス自然環境回復基金」(仮称)を設立することを柱に10億円規模を拠出することを決めた。

池田社長は基金の設立について「法的責任は一義的には船主」とした上で「法的責任だけで本件が整理できるわけではない。モーリシャスの環境に大きな影響を与える事故だった。社会的責任を負うのは当然で、前面に立って対応する」と説明した。

拠出額については「現時点でこのくらいが適正な水準。長期的に対応する必要がありこれが最大とはいわないが、大きくケタが変わるような規模の金額を使うことは現時点ではないと思う」との認識を示した。その一方で、「大きな社会的責任を負うべきケースは自社の歴史にはない。規模感には悩んだ」とも明かした。

損害賠償を求められた場合の対応については「まだモーリシャス政府から賠償の提起がない。コメントは差し控える」と述べるにとどめた。

海運業界は、荷物を運ぶサービスを提供する会社と、船の持ち主が別のケースが多い。安全な航行が確保できるかとの質問には「船を借りる前提となる安全品質の基準を明確にしてきたが、残念ながら事故がおきた。従来の社内だけの知見、考え方では足りないのではという声もある。第三者からのご意見なども頂戴しながら、安全品質を高める努力を続けていきたい」と話した。

座礁事故原因については直接調査や報告の内容をみる機会がないとした上で「あまりにも岸に近づき過ぎていた。乗組員に危機への意識が欠けていたのではないか」との見解を示した。報道などからの情報として、岸に近づく海図の縮尺が適切ではなかったとの可能性に言及する一方で「モーリシャス政府からの正式発表もなく、断定に足る根拠は持ち合わせていない」と説明した。

座礁した大型貨物船「WAKASHIO」を保有する長鋪汽船(岡山県笠岡市)は会見に出席しなかったが「商船三井のモーリシャス自然環境回復基金設立に際し、船主として協力する。今後の支援については沿岸の油回収の作業、船体後方部の処理など船主としての責任を果たしながら、並行して検討する」とコメントした。

モーリシャスでは座礁事故後の8月6日に貨物船から燃料油の流出が始まった。漏れた燃料油などは1000トン以上にのぼる。現地政府や関係機関が流出した油の除去などを進めている。

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