フットサル・神戸、草の根活動から夢見る1部 - 日本経済新聞
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フットサル・神戸、草の根活動から夢見る1部

フットサルFリーグのデウソン神戸が13日に開幕する2部リーグ戦に向け、闘志をみなぎらせている。新たにリーグ特別指定選手らが加入し攻撃、守備ともにレベルが向上。念願の優勝と1部リーグ昇格を目指す。

昨季、2部で8チーム中6位に終わった神戸は今季、12人の新加入選手を迎えた。関西リーグのSWH西宮から移籍してきた32歳の武石高弘は、豊富な経験を基に攻守両面で中心を担い得る選手。神戸大所属ながら、連盟間の垣根を越えてプレーできる「Fリーグ特別指定選手」として神戸にも入った岡村拓海は高い守備力が持ち味だ。「能力を持った選手たちが来てくれて新たなチームをつくることができた。強化は順調」と鈴村拓也監督は手応えを語る。

2007年、まだ1部のみだったFリーグに参入した神戸は10~11年シーズンに2位に。15~16年シーズンは全日本選手権で準優勝に輝いた。ただ、健闘の一方で知名度の低さなどから観客動員が低迷。18年にFリーグが2部制に移行した際は、経営体力の問題から2部での活動を選ばざるを得なかった。

日の当たらない下部リーグ所属となったことで次々に選手が去っていった。戦力が大幅にダウンした18~19年シーズンは2部で8チーム中7位。19~20年シーズンは6位と順位を上げたものの1勝4分け9敗と、やはり不本意な結果に終わった。

17年に就任後、やるせなさを抱いてきた鈴村監督は昨年、兵庫県選抜チームの監督にも就いた。地元での競技普及に一肌脱ぐ思いから"兼業"に取り組んだが、ここで出会ったのが武石や岡村といった面々。現役時代に上咽頭がんの闘病を経験し、指揮官としても往時の強さを取り戻そうと奮闘する鈴村監督が率いる神戸に、彼らがこぞって入団したのは必然ともいえる。

Fリーグにはプロを標榜するクラブがあるが、神戸の選手の境遇はその対極にあると言っても過言ではない。選手は会社勤めなどの傍ら競技に励み、平日の練習は勤務を終えた後の午後9時以降。チームと競技への注目度を上げたい思いが、疲れた体にむち打ってピッチを駆ける原動力になっている。

神戸はジュニアチームで子どもたちを教えたり、地元の清掃活動にいそしんだりと地域貢献にも力を入れる。「ただ強ければいいわけではない。兵庫のため、神戸のために何ができるかを考えている」と鈴村監督。

今月13日に石川県で行われるポルセイド浜田(島根)戦が今季の初戦。草の根の取り組みの先に地元ファンと1部昇格を祝う日を夢見て、新たなシーズンに臨む。(合六謙二)

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