中印外相がモスクワで会談、係争地巡り協議
【モスクワ=小川知世】中国の王毅(ワン・イー)外相とインドのジャイシャンカル外相は10日にモスクワで会談し、中印軍のにらみ合いが続く国境地帯の係争地の情勢を協議した。両軍が互いに威嚇射撃を受けたと非難しあうなか、事態の沈静化を探ったとみられるが、緊張緩和につながるかはなお見通せない。

両外相はモスクワで開かれた中印ロなどが加盟する上海協力機構(SCO)の外相会議にあわせて会談した。インドメディアによると、6月中旬に中印軍が国境地帯で衝突し、死傷者が出てから中印外相が協議するのは3回目。協議は約2時間にわたった。
中印外相は10日にロシアのラブロフ外相とも3カ国協議を開き、連携の強化や国際的、地域的な問題について意見を交わした。ロシア外務省によると、協議では中印ロの「共通の発展と相互協力が世界の経済成長や安定に重要な役割を果たす」との考えを確認した。
中印軍のにらみ合いはインド北部の山岳地帯で続き、6月の衝突ではインド側で20人が死亡した。両国防相が4日にモスクワで会談し、対話で解決する方針を確認した後も、両軍が互いに相手が発砲したと非難する事態となり、さらなる緊張激化が懸念されている。