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米へのデータ移管禁止、FBに仮命令 アイルランド当局

フェイスブックの米欧間の個人データのやりとりには不透明感が強まっている=AP

【ロンドン=篠崎健太】アイルランドの個人情報保護当局が米フェイスブック(FB)に対し、欧州連合(EU)域内から米国への個人データ移管を禁じる仮命令を出していたことが明らかになった。フェイスブック側は命令が最終確定するまでデータの移管を続ける構え。移管禁止が最終確定すれば米欧間で事業を営む多くの企業に影響が広がる可能性もある。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは9日、アイルランドのデータ保護委員会(DPC)が8月に移管禁止の仮命令をフェイスブックに出したと伝えた。同社はアイルランドに欧州拠点を構える。DPCは事実関係を明らかにしていない。

米欧間の個人データの移管を巡っては、EUの最高裁判所にあたる欧州司法裁判所が7月、「プライバシー・シールド」と呼ぶ現行制度を「無効」とする判断を下した。EUが18年に導入した一般データ保護規則(GDPR)に沿わないとの理由からだ。16年に発効したプライバシー・シールドは5200社余りの米欧間のデータ移管に適用されている。今回の仮命令は「無効」判断に従った措置とみられる。

欧州司法裁の判断ではプライバシー・シールドは無効だとする一方で、個人情報をEU域外に移管するための別のEUルールについては有効性を認めていた。「標準契約条項(SCC)」というデータ移管契約のひな型を使って個別企業ごとに移管を認める仕組みだ。フェイスブックは欧州司法裁の判断後、プライバシー・シールドではなく、このSCCを使って米欧間のデータ移管を継続することを図ってきた。しかし、今回のアイルランド当局による仮命令では、SCCを使ったデータ移管にも法的な不透明感が浮上した。

広報・国際担当副社長のニック・クレッグ氏は9日の声明で、アイルランド当局による調査を受けた事実を認めたうえで「当局はSCCが欧米間のデータ移管に使えないことを示唆している」とコメント。「SCCに依存する企業や多くのオンラインサービス利用者に影響が及ぶ可能性がある」と指摘し、明確な国際ルールの整備を訴えた。

米欧間で大量のデータをやりとりする米系ネット企業では、グーグルもプライバシー・シールドを無効とする判決が出た後、SCCに依拠してデータ移管する方針を利用者に通知していた。アイルランド当局のフェイスブックの調査がSCCも認めない方向に動けば、米欧間の個人データの流通に大きな影響が出るリスクもある。

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