神戸大、オンラインで認知症予防 高齢者サポート
神戸大学は10月から高齢者を対象にした認知症予防プログラムをオンラインで提供する有料サービスを始める。大学の研究成果を生かした運動教室や教授によるセミナーなどを通じて、新型コロナウイルスの感染拡大で自宅にこもりがちな高齢者の体力や認知機能の維持を手助けする。
「eコグニケア」は1年間のプログラムで、利用者はビデオ会議システム「Zoom」を通じて自宅などから参加する。週1回程度の運動教室、認知症予防や健康寿命の延伸などに関する年6回のセミナー、認知機能など年1回の健康チェックで構成する。
主に関西在住の高齢者らを対象に9月から募集を開始し、10月以降順次プログラムを始める。料金は3カ月分のまとめ払いで1万4100円(税別)など。プログラムの成果は大学の認知症予防の研究にも生かす。
神戸大は2019年から認知症予防プログラム「コグニケア」の提供を始めた。当初は1つの会場に集まってもらう方式で運用し、約100人が利用していたが、新型コロナの感染拡大を受けて2月に休止していた。
一方で高齢者が外出を自粛することで運動習慣や社会との接点が失われ、認知症のリスクが増すと懸念されている。神戸大は認知症予防のプログラムの需要は増すとみて、オンラインでの提供を検討していた。