デル日本法人、コロナ下の変革支援で狙う収益拡大

2020/9/10 18:13
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米IT(情報技術)大手デル・テクノロジーズの日本法人は10日、事業方針説明会を開いた。米国本社が2016年にM&A(合併・買収)を完了した後も併存していた旧デルと旧EMCの日本法人は8月に統合し、新たな営業体制を確立している。顧客企業が取り組むビジネスの変革に対応する製品やサービスを売り込み、事業を拡大する姿勢を鮮明にした。

デル・テクノロジーズ日本法人の大塚俊彦社長

「新型コロナウイルス禍のニューノーマル(新常態)を勝ち抜くために顧客が取り組む変革を支援する」。デル・テクノロジーズ日本法人の大塚俊彦社長はオンライン記者会見で決意を述べた。変革を支える基盤として製品やサービスを売り込み、市場平均を上回る成長を目指すという。

顧客が取り組む変革には4つを挙げた。1つはコスト競争力の高いIT基盤の構築だ。ビジネス環境は不透明感が増し、IT基盤のコストを抑えたい企業は多いとみている。運用業務の自動化で管理コストを削減できることを提案し、運用業務の標準化支援コンサルティングや自動化に対応した製品を売り込む。

2番目の変革は生産性の高い在宅勤務の実現。従業員の自宅でもオフィスと同じように働ける環境が必要になるとみて、ノートパソコンや通信インフラ、セキュリティー製品などを提案する。

3番目はデジタル技術を生かした収益源の確立だという。最適な交通手段を提案する「MaaS」などビッグデータ活用したビジネスに取り組む顧客の需要を見込み、ビッグデータに対応し大容量ストレージ(外部記憶装置)などを提案する。

そして遠隔医療や電子政府といった社会インフラの整備が4番目の変革だ。対面なしでサービスを提供するための基盤整備を後押しする。

米国でデル・テクノロジーズが旧EMCを16年に傘下に収めた後も、日本では旧デルと旧EMCの日本法人が8月まで存続していた。今回は日本法人が統合して初めての方針説明会だ。大塚社長は「これまでは顧客主義など企業の基本方針を統一する一方で、事業面では旧法人それぞれの継続性を重視してきた」と述べた。米本社が事業統合してからの3年間で、日本法人の事業規模は約2倍に拡大したという。

今後は3200人強が所属する営業部門を刷新する。金融や製造、流通といった産業別の体制を組織し、顧客にパソコンからストレージまで幅広い製品を提案する方針だ。協業する企業もDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するコンサルティング会社などへと幅を広げる。

デル・テクノロジーズ日本法人の事業環境は不透明感が強い。ウィンドウズの切り替えに伴うパソコンの買い替え需要は一巡し、コロナ禍が収束する時期も見通せない。再び成長軌道に乗るには、顧客企業のDX関連需要を確実につかむ工夫と知恵が欠かせない。

(島津忠承)

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