マレーシア中銀、5会合ぶり金利据え置き 最悪期脱す

2020/9/10 18:00
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経済活動の再開に伴って、都心の人通りや交通量も回復しつつある(クアラルンプール中心部)=ロイター

経済活動の再開に伴って、都心の人通りや交通量も回復しつつある(クアラルンプール中心部)=ロイター

【シンガポール=中野貴司】マレーシア中央銀行は10日の金融政策委員会で、政策金利を過去最低の年率1.75%のまま据え置くと決めた。2020年に入って4会合連続で利下げしてきたが、経済は最悪期を脱したとみて追加利下げを急ぐ必要はないと判断した。

フィリピン中銀やインドネシア中銀も直近の会合で、政策金利の据え置きを決めている。東南アジアの多くの中銀は新型コロナウイルスの感染拡大後、金融緩和を続けてきたが、ここにきて一服感が出ている。

マレーシア中銀は10日の声明で「経済活動は(厳しい活動制限が敷かれていた)4月の谷から回復が続いている」と指摘。個人消費や雇用、貿易の回復傾向は「21年まで続く見通しだ」とも説明した。「20年の合計1.25%に及ぶ利下げが今後も景気に刺激を与え続ける」として、これまでの利下げの効果だけで景気回復を十分下支えできるとの認識を示した。

中銀の指摘通り、経済活動の段階的な再開に伴って、経済の好転を示す指標が目立ち始めている。7月の輸出は主要輸出先の米中向けが復調し、前年同月比で3.1%の増加となった。輸出額は過去2番目の大きさで、貿易黒字額は過去最高となった。6月の失業率は5月から低下し、自動車販売など個人消費も戻りつつある。

中銀は4~6月期に前年同期比でマイナス17.1%まで落ち込んだ実質成長率が、20年通年では「マイナス3.5~マイナス5.5%」になるとみている。21年は「5.5~8%」の大幅なプラス成長を見込む。

ただ、新型コロナの新規感染者が国内で再び増えれば、経済の回復スピードは遅れる見通しだ。中銀も「新型コロナの先行きは国内外とも不確かで、成長率が下振れするリスクは残る」と指摘する。観光関連など一部の産業は低迷が続いており、次回以降の会合で中銀が利下げ再開を迫られる可能性もある。

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