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オーダーメード医療が拡大、23年に9748億円 民間調べ

個人に最適な治療を提供する「オーダーメード医療」の市場が拡大しそうだ。調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)は、オーダーメード医療の国内市場規模が2023年に9748億6000万円と19年に比べて11%伸びるとの予測を発表した。特定のがん細胞を狙い撃ちする分子標的薬などがけん引する見通しだ。

4~6月に検査・診断機器メーカーや製薬企業などを聞き取り調査した。オーダーメード医療は患者ごとに異なる遺伝的な違いに着目する点が特徴。調査は分子標的薬や、医薬品の効果や副作用を投薬前に予測する「コンパニオン診断薬」、次世代DNAシーケンサー(遺伝子解析装置)など5分野を対象にした。

分子標的薬の領域では適応疾患の広がりや、免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ「免疫チェックポイント阻害薬」などの新薬が市場拡大につながりそう。

従来は、がんと密接に関係する遺伝子変異1つに対して1つのコンパニオン診断薬しか対応していなかった。近年は複数項目を検査できる診断薬が開発され、発売や保険適用が進んでいる。

がん患者の遺伝情報に合わせた治療に必要な「がん遺伝子パネル検査」の開発が進み、患者の遺伝子を網羅的に調べて遺伝子の変化を検出する次世代DNAシーケンサーの需要も高まっている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、医療機関では外来診療を控える動きや検査需要の縮小があるため、20年は市場の伸びが鈍化する見通しだ。

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