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戦略家参謀と二人三脚 eサッカー代表・ナスリ(下)

2020/9/13 3:00
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ウェブ・ナスリ(本名青木太一、鹿島アントラーズ)にはCCV(本名安藤祐作)というコーチがいる。試合中、プレーするナスリの隣に座って相手の戦術を見抜き、どこを狙って攻撃すべきか、セットプレーではどこを狙って蹴るか、など声をかける。

今年1月にアトランタで開かれた世界大会にはCCVコーチ(左)を帯同した

今年1月にアトランタで開かれた世界大会にはCCVコーチ(左)を帯同した

サッカーゲーム「FIFA」の大会では1日に数試合もこなす。試合を重ねるごとにプレーヤーの集中力は切れやすくなり、相手の弱点に気付きにくくなる。勝ち上がっていくためには、第三者のコーチの声が不可欠となる。

ナスリは2019年4月から横浜Mのeスポーツチームに所属していたが、今年1月に移籍した。「コーチを大会に連れて行けるのが一番大きかった」。世界を見れば、「FIFA」にコーチがいるのは当然。しかし日本ではほとんど事例がなかった。世界で勝つため、よりサポートが充実していた鹿島への移籍を決意した。

CCVをコーチに指名したのはナスリ自身だ。CCVは「試合に勝った時よりも、定石と違う戦い方を見つけた時の方が楽しい」と話す戦略家。奇策でナスリを勝利に導くこともある。

7月下旬にオンラインで開催された「FIFA20 サマーカップシリーズ アジア」。勝てば3位以上確定という試合の残り数分で、相手のコーナー付近で時間稼ぎに入った。勝っているチームが相手陣地内でボールを取り囲み、攻めもせずタイムアップを待つ手法はリアルサッカーではよく見かける光景。だが、ゲームでは常識破りの戦法だ。「ナスリ一人では絶対にやらない。僕が指示した」とCCV。正攻法のナスリに策士のコーチ、まさに鬼に金棒だ。

鹿島に所属する理由、ひいてはJクラブのeスポーツ選手であるメリットはもう一つある。「『FIFA』のファンだけでなく、鹿島のサポーターも見てくれる」。ゲームに興味がなくても「鹿島の選手」ということで応援してもらえる。ゲーマーとして名前を売っていく中で、Jリーグの鹿島というブランドは安心感を与え、覚えてもらいやすい。

もちろん注目されるほど、かかる重圧も大きい。「常勝軍団」と呼ばれる鹿島のユニホームを着るからには、負けることは許されない。「鹿島に入ってからプレッシャーを感じるようで、プレーが硬くなった」とCCVには映っている。

普通の大学生が背負うには重い鹿島と日本代表の看板。だが卒業後も「このまま選手としてやっていきたい」。「FIFA」プレーヤーの第一人者として、重圧に負けず走り続ける覚悟はできている。=敬称略

(田原悠太郎)

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