ブラジル、コメの輸入関税を一時撤廃 食料価格上昇で

2020/9/10 7:11
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【サンパウロ=外山尚之】ブラジル政府は9日、コメの輸入にかかる関税を一時的に撤廃すると発表した。新型コロナウイルスの影響で食料価格が上昇していることを受けた措置。ボルソナロ政権は小売業界に値上げの抑制を要求するなど、神経をとがらせていた。

ブラジルでは新型コロナの影響で食料品価格が上昇している(9日、サンパウロのスーパー)

年末までの間、40万トンを上限に、通常12%かかるコメ輸入の関税をゼロとする。ブラジル地理統計院(IBGE)によると、8月の物価上昇率は年率2.4%と低水準だったが、食料品価格は8.8%と高騰しており、中でもブラジルの食卓に欠かせないコメは19.2%と突出していた。

食品価格上昇の背景は諸説あるが、新型コロナの影響で家庭内で調理するための需要が増加する一方、国内産品の多くが輸出に回っており、国内向けの供給に制約が生じているとされる。また、通貨レアルが対ドルで下落していることも一因とみられる。

物価上昇は低所得者層の支持離れにつながるため、ボルソナロ大統領はスーパーマーケットなど小売業界に対し、「犠牲や愛国心を求める」として値上げの抑制を要求していた。しかしスーパーの業界団体は「既に利益を削っている」と主張し、議論は平行線をたどっていた。ボルソナロ氏は2022年の大統領選を見据え、足元でポピュリズム(大衆迎合主義)的な傾向を強めている。

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