巨大官庁率いる厚労相、コロナも社保も
2001年の省庁再編で厚生省と労働省が統合してできた巨大官庁を率いる。所管する社会保障関係費は国の一般歳出の約6割を占める。年金、医療、介護、雇用など幅広い分野を担当するため、実務能力の高さが求められる。国民生活に身近な分野が多く、批判を受けやすい面もある。


終戦直後、厚相は首相が兼任することもあったが、徐々に首相を生むポストになった。鈴木善幸、橋本龍太郎、小泉純一郎、菅直人の各氏が厚相経験後に首相になった。安倍晋三前首相も厚相経験はないが自民党社会部会長に就き、社会保障への知見があった。
第2次安倍政権では田村憲久、塩崎恭久、加藤勝信、根本匠の4氏が厚労相に起用された。加藤氏は19年9月から2度目の登板となった。新型コロナウイルス対策ではPCR検査の拡充やワクチンの開発、雇用対策などに追われた。
25年に団塊の世代が75歳以上になり、社会保障費の給付が急増する。新政権は新型コロナ対応はもちろん、待ったなしの社会保障改革にも直面する。田村憲久厚労相は加藤氏に続く再登板となった。