東急不動産、データ活用し密回避のオフィスビル公開

2020/9/9 19:39
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東急不動産などは9日、東京・竹芝で14日に開業するオフィスビルの内覧会を開いた。入居予定のソフトバンクとともにリアルタイムデータを活用し、混雑などを回避できるのが特徴。新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が増える一方で、オフィスはコミュニケーションの場という側面が強まっている。そんな需要に応える狙いがある。

店舗は備え付けられたセンサーを使い、来店客の数などを記録できる

東急不動産と鹿島が都有地を借りて「東京ポートシティ竹芝」(東京・港)を開発した。中心がオフィスビル(地上40階)で、9~39階のオフィスフロアにソフトバンクなどソフトバンクグループの傘下企業が入る。

ビルではソフトバンクとデータをリアルタイムに活用する。共有部にあるセンサーやAI(人工知能)カメラの数は約1000台に上る。

エレベーターホールではセンサーで混雑状況を検知し、社員向けアプリを通じて混雑状況やおすすめの出勤時刻を配信する。これで出勤時間の分散を促す。テラスの空き状況はAIカメラが検知し、センサーが温度、湿度を配信して屋外での仕事も提案する。トイレの空き状況も可視化するほか、館内の飲食店舗の空席状況は約30カ所の電子看板上に配信する。

データ活用の計画は新型コロナの流行前に決定したが、東急不動産の岡田正志社長は内覧会で「テクノロジーを使い、非接触や密回避を進化させる」と述べた。顔認証のゲートはエレベーターと連携し、社員はどこにも触らず自席に着けるという。今後は新築や既存ビルへの導入を検討していく。

ソフトバンクグループは年内に本社移転を終える計画。ソフトバンクの今井康之副社長は「まずはビル内のデータを活用し、駅や街区のデータとも結び付ける。データのプラットフォームをつくっていく」と話す。ノウハウを他の開発案件などにも生かす考えだ。

コロナ禍で在宅勤務が増えたが、パーソル総合研究所(東京・千代田)の調査によれば緊急事態宣言の解除後は実施率が下がっている。野村総合研究所(同)は、リモートワークの減少は「生産性が落ちた」との声が多かったためとみる。企業は働き方やオフィスのあり方の選択を求められる過渡期にあるといえる。

「オフィスに集うことによって色々なアイデアやコラボレーションが生まれる」。ソフトバンクの宮内謙社長兼最高経営責任者(CEO)はこう話す。それを実現するのためにも、社員が安心して働けるオフィスの重要性は高まっている。

(小田浩靖、堀田隆文)

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