不正引き出し、東北地銀に影響広がる みちのく銀など
NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」が不正利用された問題で、東北の地方銀行に影響が広がっている。これまでに七十七銀行、みちのく銀行、東邦銀行で不正利用が確認された。みちのく銀は9日、ドコモ口座への同行口座の新規登録を停止。セキュリティー強化に動き出した。
みちのく銀によると、確認された被害は1件で30万円が不正に引き出された。銀行のシステムから顧客の口座番号や暗証番号が漏洩した事実はないという。ドコモ口座と連携する際の本人確認の要件として地銀ネットワークで共通の「口座番号」「暗証番号」「名前」「生年月日」のほか、顧客の申告した電話番号が一致する必要がある。被害を受け、セキュリティーの改善策を検討する。
七十七銀ではこれまで数件の被害があったとみられ、数十万円が引き出された口座もあった。同行は金融庁に報告し、警察への被害届も提出した。被害が確認されていない仙台銀行も9日から口座の新規登録を停止した。すでに登録している口座は引き続き利用できるとしている。
山形銀行などはドコモ口座と接続していないが、LINEPayなど他の決済サービスとの連携もあり、「改めて点検する」(山形銀)という。
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