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脱マウスが決め手 テレワークの効率上げるスキル伝授

リブロ汐留シオサイト店

メインの平台上部の面陳列棚に展示する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。ビジネス書のランキングには8月下旬に相次いで出た企業研究のムックが上位に並び、一見例年通りのように見えるが、ほかに目立った売れ筋は出てきていない。そんな中、書店員が注目するのは、ホワイトカラーの時短術としてマウスを極力使わないパソコン操作法を解説したビジネススキル本だった。

「指の動き方改革」を提唱

その本は森新『脱マウス最速仕事術』(ダイヤモンド社)。副題には「年間120時間の時短を実現した50のテクニック」とあり、タイトルどおりマウスを使わない習慣を身につけて、パソコンの操作時間を短縮する仕事スキルを徹底解説した本だ。著者の森氏はショートカット・Outlook研究家を名乗る。普通の会社員として働く中で、パソコンスキル向上による業務改革に目覚め、現在はパソコン講師として活躍する。

「ホワイトカラーの働き方改革は『指の動き方改革』があってこそ」と主張する著者は、脱マウスに到達するためのノウハウを数年間独自に研究し、個人や企業にレクチャーする中で、脱マウスに「すぐに挫折してしまう人と、一定レベルまで成功している人の分岐点を突き止めました」と「はじめに」に書きつける。そのポイントとは「キーボードのキー自体への理解」なのだという。

2週間で習得するプログラム

このため、本書は「ショートカットの丸暗記ではなく、キーボードを起点として段階的に意味を理解しながら覚えていく」展開になっている。ステップ1が「要諦の確認」。ここでマウスダイエットから脱マウスまでの基本的なルールや、キー自体の役割を確認する。ステップ2では、1つのキーを押すだけのショートカットキーを覚える。ステップ3になると、この本で「母体キー」と呼ぶ[Ctrl][Shift][Windows][Alt]の4つのキーの特徴の理解へと進む。ここまでの習得が3日間。

これにステップ4「左手だけ使うショートカットキーを覚える」とステップ5「両手を使うショートカットキーを覚える」が加わる。習得の目安時間はステップ4が5日で、ステップ5が6日。すべて合わせて14日、2週間で脱マウスのパソコン操作を習得するプログラムだ。

「新刊の中では店頭の反応がかなりいい。追加注文も入ってきたのでこれからも期待している」と店舗リーダーの河又美予さんは話す。テレワークになると如実にパソコン操作の効率が意識されるようになる。使わずに人に頼んでいた作業もいや応なく自分でやる必要が出てくる。一方、新入社員も入社前はスマートフォンのフリック操作が主体で、キーボード操作に不慣れな人も少なくないという。そのあたりの需要を取り込んでいるようだ。

業界研究本がトップ2

それでは、先週のランキングをみておこう。

(1)「会社四季報」業界地図 2021年版東洋経済新報社編(東洋経済新報社)
(2)日経業界地図 2021年版日本経済新聞社編(日本経済新聞出版)
(2)スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい四禮静子著(技術評論社)
(4)脱マウス最速仕事術森新著(ダイヤモンド社)
(4)精神科医が教えるストレスフリー超大全樺沢紫苑著(ダイヤモンド社)
(4)アフターデジタル藤井保文・尾原和啓著(日経BP)
(4)ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか酒井大輔著(日経BP)
(4)世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?山口周著(光文社新書)
(4)部下育成にもっと自信がつく本松下直子著(同文舘出版)
(4)バカでも稼げる 「米国株」高配当投資バフェット太郎著(ぱる出版)

(リブロ汐留シオサイト店、2020年8月31日~9月6日)

1位と2位は定番の業界研究ムック。8月下旬から9月にかけては大型のヒット本がない限り例年ランキング上位をにぎわす。同数の2位に7月に本欄の記事「テレワークで困らない ワード・エクセルの基本を解説」で紹介したパソコンスキル本が入り、4位に今回紹介した『脱マウス最速仕事術』が来る。パソコンスキル系の本が2冊も上位に入るのはテレワークがなお続く状況ゆえだろう。

今回紹介した本も含めて同数の4位に合わせて7冊。『アフターデジタル』は続編も出たが、19年刊の第1作の方が上位に来た。アパレルのワークマンのルポ、精神科医によるストレスを感じない働き方の本などの近刊に加えて、17年刊の山口周氏の新書、14年刊の部下育成の指南書、18年刊の投資術の本など、多彩な旧刊が顔を出している。

(水柿武志)

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