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米中、ASEAN舞台に対決へ 関連外相会合が開幕

(更新)
9日、中国とASEANの外相会議には中国から王毅(ワン・イー)外相が出席した

【北京=羽田野主、ワシントン=永沢毅】東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と米国、中国、日本など域外国による一連の閣僚級会合が9日、オンラインで始まった。米中関係が険悪になるなか、ポンペオ米国務長官と中国の王毅(ワン・イー)外相の「直接対決」となり、両者の応酬が注目されそうだ。

12日のASEAN地域フォーラム(ARF)まで一連の閣僚級会合をASEANのベトナムが議長国となり、いずれもオンラインで開く。

9日はASEANと米中日に加えてロシア、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの計18カ国が参加する東アジア首脳会議(EAS)の外相会議を開いた。

焦点は南シナ海を巡る米中の対立だ。中国は南シナ海のほぼ全域に自らの主権がおよぶと主張するが、米国は7月に「中国の主張は完全に違法」と断じた。今回は米国が中国の主張を否定してから初めて、米中が南シナ海を巡りじかに意見を交わすため関心が集まる。

「米国は中国とASEANの話し合いによる解決の努力を邪魔し、南シナ海の平和を損なう最も危険な要因だ」。王氏は会議で米国を痛烈に批判した。強硬発言が目立つ王氏だが、名指しの批判は珍しい。「南シナ海は地縁政治の競技場ではないし、ましてや大国のパワーゲームの拳闘場ではない」とも語った。

中国は会議に向けて周到に準備してきた。

習近平(シー・ジンピン)国家主席は8月末、インドネシアのジョコ大統領と電話し「ワクチン協力を積極的に進める」と話した。魏鳳和国防相は7日、マレーシアでムヒディン首相に「南シナ海の安定維持は両国の共通の責任だ」と訴えた。

外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)氏も8~9月にシンガポールやミャンマーを訪れ、経済連携を呼びかけた。

これら4カ国は南シナ海を巡る中国との対立がそれほど深くない。中国は経済連携やワクチンという「アメ」で4カ国を引き寄せ、米国の圧力や批判をかわす思惑とみられる。すでにカンボジアやラオスは中国と親しい。4カ国を引きこめばASEAN内で中国支持が「過半数」となる。

米国も南シナ海問題への介入を強める。7~8月に中国による軍事拠点化を非難し、埋め立て工事などに関わった中国企業に制裁を科した。米空母も南シナ海に派遣した。今回の会議でもポンペオ氏は参加国に対中包囲網に加わるよう呼びかけ、中国に国際法の順守を要求するとみられる。

オーストラリアも中国の南シナ海での領有権の主張を否定し、米国と歩調をあわせる。日本もかねて「法の支配」を重視する。中国が南シナ海の領有権を巡って敗訴した、2016年7月のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判決を受け入れるよう中国に求めている。もっとも日豪は中国との経済関係が深く、対中制裁は見送っている。

ASEAN加盟国は経済規模が小さく、中国への依存度も高い。中国の脅威を直接的に受けるベトナムを除けば、声高な対中批判にはおおむね慎重だ。中国と米国の主張をてんびんにかけ、中国だけでなく米国からも目に見える利益を引き出そうとする国も少なくないとみられる。

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