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瞬く間にeW杯出場 eサッカー代表・ナスリ(中)

「彼ほど(サッカーゲームの)『FIFA』が好きなゲーマーはいない」。コーチのCCV(本名安藤祐作)はそう証言する。好きこそものの上手なれ。ウェブ・ナスリ(本名青木太一、鹿島アントラーズ)は「FIFA」を始めてわずか3年で世界大会出場を勝ち取った。

ナスリは2018年8月、「FIFA18」の世界一を決める「eワールドカップ」に出場した

物心が付いた時にはゲームに触れていた。小学生の頃は「ニンテンドーDS」や「プレイステーション・ポータブル」で遊ぶ、どこにでもいるゲーム好きな男の子。一方で、幼稚園からサッカーもやっており、自然とサッカーゲームにも興味を持った。「FIFA」との出合いは家電量販店での体験版だ。「選手の名前も実名で、演出もテレビ放送みたいで驚いた」。海外サッカーをよく見ていたナスリは一瞬で魅了された。

2015年、高校1年生の時から「FIFA15」を本格的に始めた。最初は、監督として選手を集め、戦術を考えてチームを強くするオフラインのキャリアモードにはまった。学校から帰って、夕飯と風呂以外の時間はゲームに充てるほどのめり込んだ。

「FIFA16」でオンライン対戦にシフト。「(最初は)本当に弱かった」が、「FIFA17」になってランク付けがより本格化すると瞬く間に実力を上げた。「自分の選んだ選手に合った戦術を考える。負けたら、何がダメだったのかなとまた考える。楽しんでやっていた」。勝つための努力は苦しいものではなく、苦労した分だけランクも上がった。日本人トップになったのも、本人からすれば「いつの間にか」だった。

18年もオンラインで好成績を残し、初の世界大会に出場。そこでベスト4に入り、世界一を決める「eワールドカップ(W杯)」に日本人で唯一出場した。結果はグループステージ敗退だったが、「通用しないことはない」と手応えを実感できた。

19年は世界大会で準優勝もしている。ただ本人にすれば「世界のトップとはまだ差がある」という。そして、その差が何かは「分からない。分かれば修正できるのに」。あっという間にたどり着いた世界の舞台。だからこそ、さらにあと一歩上に進むためには、もがく経験やいっそうの努力が必要なのかもしれない。

その一方で「ゲームだから選手の性格や経験なんて関係ないはずなのに、(ナスリは)この選手は若いからこういうプレーがいいとか、ベテラン選手がいいプレーをすると『経験が違うよ』と褒めたりする」とCCVは笑う。そこにあるのは「FIFA」への情熱と、純粋なサッカー愛か。意外に世界のトップにも"いつの間にか"なっているのかもしれない。=敬称略

(田原悠太郎)

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