米共和、5000億ドルの新経済対策 与野党対立で成立遅れ

米大統領選
2020/9/9 6:51 (2020/9/9 9:45更新)
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米共和党のマコネル上院院内総務は5000億ドル規模の追加経済対策を提示した(8日、米連邦議会)=AP

米共和党のマコネル上院院内総務は5000億ドル規模の追加経済対策を提示した(8日、米連邦議会)=AP

【ワシントン=河浪武史】米共和党の議会指導部は8日、上院に5000億ドル(約53兆円)規模の新たな新型コロナウイルス対策法案を提示した。歳出規模を当初計画の半分に減らし、失業給付の積み増しなどに絞った暫定案だ。一方、民主党は2兆ドル超の大型対策を求めており、与野党協議は9月末までずれ込む可能性が高い。

新法案は共和党上院トップのマコネル院内総務らが提出。(1)失業給付の加算延長(2)中小企業の雇用維持策の再開(3)企業などのコロナ訴訟の免責条項(4)米郵便公社(USPS)への資金支援――などが柱だ。共和党は7月に1兆ドル規模の経済対策を提案したが、新法案では家計への現金給付などは削除。

失業給付は州・地方政府の支給額に加え、連邦政府が週300ドルを支給する。3月に週600ドルを加算する特例措置を発動したが、7月末に失効していた。トランプ政権は8月初旬に週400ドルを積み増す大統領令を出したが、上院共和案はさらに縮小する格好だ。

中小企業の賃金の支払いを肩代わりする「給与保護プログラム」も再開する。追加経済対策の成立の遅れによって、同プログラムは8月初旬に申込期限が切れていた。6600億ドルの資金枠があったが、現時点でも1000億ドル超が未消化のまま残っている。

野党・民主党と鋭く対立するのは、今回盛り込んだ「コロナ免責条項」だ。企業や教育機関、医療機関などが米疾病対策センター(CDC)などによるコロナ対策を順守していれば、従業員や顧客に感染者が出ても賠償責任などを負わない仕組みだ。

米国では新型コロナで死亡した従業員の遺族らが、企業などを相手取って賠償訴訟に乗り出すケースが増えている。企業は訴訟リスクを抱えたまま事業を再開しにくいため、産業界は免責条項の成立を強く求めている。労働者保護を重視する民主党は同条項に強く反対しており、ここまでの与野党協議の遅れにつながっていた。

マコネル氏は週内の新法案の採決を目指す。ただ、100議席の上院で法案を通過させるには、議事妨害が阻止できる60議席が必要で、53議席の共和党単独では可決できない。民主党の賛成は見込みにくく、共和党内も追加の財政出動そのものに反対する財政保守派が少なくない。

追加経済対策の成立には超党派法案が必要で、2兆ドル超の大型財政出動を求める民主党との協議が欠かせない。米連邦議会は9月中に2021会計年度(20年10月~21年9月)予算を成立させる必要があり、与野党は追加対策と21年度予算を並行して議論することになりそうだ。

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