Appleがフォートナイト開発元に反訴 独自決済は「窃盗」
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【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルは8日、人気ゲーム「フォートナイト」の開発元、米エピックゲームズに反訴した。アップルの「独占」を訴えて独自の決済手段を導入したエピックの行為は「窃盗」にあたると強調。同社の契約違反がアップルに多大な損害をもたらしたとして、利益返還などの責任を負わせるよう求める。
8月中旬から続く両社の訴訟のなかで反訴した。アップルを「モノポリスト(独占者)」と呼ぶエピックに対し「自社サービスの利用に関して手数料を求めるのは反競争的な行為ではない」と説明。エピックが独自の決済手段を認めるよう求めていることについて「アップストアから得られる莫大な価値に対し、何も払わないことを望んでいる」と糾弾した。
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アップルは訴状で「(エピックは)過去2年間、他のどの開発者よりもアップルのサポートやサービスを活用してきた」とも指摘した。フォートナイトはアップストアを介して174カ国で1億3千万回近くダウンロードされ、エピックは6億ドル(約640億円)以上の収益を得たという。同社のイベントをアップルが支援することもあったと明かした。
両社の係争は8月13日に始まった。アップルによるスマホアプリの配信や課金の独占をめぐり、エピックがカリフォルニア州の連邦地裁に提訴したためだ。アップルはエピックの措置が規約に違反するとしてフォートナイトの配信を同日に停止し、28日には他のゲームアプリも配信サービスから削除していた。
エピックは4日にアプリの配信再開を求める仮差し止めを申し立てている。