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南ア、GDP51%減 4~6月 資源安にコロナ直撃

(更新)
南アフリカはアフリカ大陸で最も新型コロナの感染者が多い=AP

【イスタンブール=木寺もも子】南アフリカ政府統計局が8日発表した2020年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率マイナス51%だった。資源価格の下落や汚職のまん延で低迷していた経済に、アフリカで最悪の新型コロナウイルス被害が直撃した。

マイナス成長は4四半期連続で、国際通貨基金(IMF)の管理下で経済再建を強いられるシナリオも現実味を帯びる。

3月末から外出制限のほか、製造業や鉱業の稼働率を半分に下げるなど、世界的にも厳しい都市封鎖(ロックダウン)を実施したことが響いた。製造業はマイナス75%、鉱業は同73%だった。個人消費も同50%に沈んだ。

新型コロナの感染者数は6月の外出制限の緩和以降、急拡大した。足元では合計60万人を超え、アフリカ全体の半数以上を占めている。南ア準備銀行(中銀)は7月、20年通期の成長率がマイナス7.3%になるとの見通しを示した。

国連開発計画(UNDP)は8月、南ア経済が19年以前の水準に戻るのは「少なくとも5年以上かかる」との報告を公表した。4万~8万人が正規の職を失い、人口の約2割を占める中産階級の34%が貧困に転じる可能性が高いと指摘した。

ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS)の一角として、将来有望な新興国とみなされたこともあった南アの経済は新型コロナ前から低迷していた。

資源ブームの崩壊とともに公共セクターにはびこった汚職問題が噴出し、15年以降、国民1人あたりGDPは減り続けている。4500億ランド(約3兆円)もの債務を抱える国営電力会社は十分な電力供給を果たせず、産業界の足を引っ張る。

電力や航空といった国営企業への政府支援は財政悪化も引き起こす。総額5000億ランドの新型コロナ対策も加わり、財務省は5年前に50%だったGDP比の公的債務が、20年には80%に達する可能性があると見込む。財政出動の余力は乏しい。

窮地に陥った政府は民主化後では初めて、IMFに融資を要請し、7月に43億ドル(約4500億円)が承認された。新型コロナを受けた緊急のプログラムで通常融資のような厳しい条件はないが、さらなる融資を得るため、IMF管理下での財政再建を余儀なくされる可能性がある。

故マンデラ大統領以降、政権を維持する与党・アフリカ民族会議(ANC)は公的セクターの縮小などを求めるIMFによる救済は「国家主権への介入だ」として強く拒否してきた歴史がある。「地域経済をけん引してきた南アがIMF管理下に入ることはサハラ以南のアフリカ全体にとって挫折を意味する」。大手銀行アブサのエコノミスト、ミイェラニ・マルレケ氏は指摘する。

IMF管理を回避するためには歳出の6割を占める公務員給与削減など痛みを伴う改革が不可欠だ。新型コロナ下でラマポーザ政権が指導力を発揮できるかが焦点となる。

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