岐阜県御嵩町が設置を拒否 リニア残土の恒久処分場
岐阜県などでのリニア中央新幹線工事で出る残土の恒久処分場設置を求めたJR東海の打診に対し、同県御嵩町が環境保全策が不十分だとして拒否する考えを口頭で伝えていたことが8日、町への取材で分かった。5月に町の担当部署からJR東海側に伝えたという。9月7日の町議会で、渡辺公夫町長が明らかにした。
町によると、残土のうち、カドミウムやヒ素が含まれる土は、汚染対策が必要な「要対策土」の扱いになる。JRの計画では、町の所有地と私有地の2カ所に搬入する予定の残土のうち、要対策土については町の所有地で処分することになっている。町の所有地はJRが買い取り、管理する。
JRはこれまで、要対策土は遮水シートで包み、土をかぶせるなどして、カドミウムなどが漏れないように対策するとしてきたが、町側は対策が不十分と判断した。
渡辺町長は答弁で、町で問題になった過去の産業廃棄物処分の経緯などからみて、遮水シートで封じ込める方法では対策が十分ではないとの考えを示した。他の対策の提案があれば、改めて適当かどうかを検討するとしている。
JRが打診しているリニア工事の残土処分とは別に、御嵩町では1997年6月、全国で初めて産廃処分場を巡る住民投票を実施。反対が多数を占め、2008年に処分場計画の撤回が決まった経緯がある。〔共同〕