8月の街角景気、小幅に上昇 感染懸念で飲食は低迷
内閣府が8日発表した8月の景気ウオッチャー調査によると、街角景気の現状判断指数(DI、季節調整済み)は前月比2.8ポイント高い43.9となった。新型コロナウイルスの感染再拡大に歯止めがかかったとの見方などから、上昇幅は7月の2.3ポイントから拡大した。飲食関連は客足の戻りが鈍く、前月を下回った。
景気に敏感な業種・職種の経営者や現場担当者約2千人に3カ月前と比べた景況感を聞いた。上昇は4カ月連続で、感染拡大前の今年1月の水準(41.9)を上回った。
調査期間は8月25~31日。政府の分科会が「7月末をピークに(新規感染者が)緩やかに減っている」との見方を示した後にあたる。内閣府は「7月にみられた感染者急増への懸念が和らいだ」とみている。
現状判断DIは「家計」「企業」「雇用」の全てで前月より改善した。「雇用」は7.4ポイント上昇し、全体をけん引した。「企業」も自動車関連を中心に製造業が持ち直し、3.3ポイント上昇した。
「家計」は2.0ポイント上昇したが、業態で明暗がわかれた。旅行を含むサービス、小売り、住宅の3つのDIは改善した。支援策や給付金などの効果が大きい。東北の観光型旅館では「宿泊人数は少ないが(政府の旅行需要喚起策)『Go To トラベル』で単価がアップしている」という。
一方、飲食のDIは前月比4.4ポイント低下した。外食を控える傾向が続き、店内の座席を減らすといった感染対策も重荷になっている。「外食業は団体需要は見込めず、客単価が下がっている」(南関東の高級レストラン)との声や「体力の限界に達した店舗が次々に閉店している」(近畿・一般レストラン)といった厳しい見方が出ている。
2~3カ月先の景気の見方を示す、先行き判断DIは前月比6.4ポイント上昇の42.4だった。上昇は2カ月ぶり。今後の景況感も感染状況に左右される傾向が続くとみられている。
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