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詰め将棋のごとき攻め eサッカー代表・ナスリ(上)

2020/9/13 3:00
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サッカー日本代表のユニホームを着た青年がスクリーンに映る試合を一心に見つめる。パブリックビューイングでの応援ではなく、手に握っているのはコントローラーだ。国際サッカー連盟(FIFA)公認のサッカーゲーム「FIFA」。求められるのは操作のうまさはもちろんのこと、パスやシュートの的確な判断力とそのスピード、そして1試合約15分に凝縮された相手との読み合いを制する集中力だ。

鹿島アントラーズのeスポーツチームに所属するナスリは相手が誰であれ手を抜かない

鹿島アントラーズのeスポーツチームに所属するナスリは相手が誰であれ手を抜かない

J1鹿島アントラーズのeスポーツチームに所属するウェブ・ナスリ(本名青木太一)は4月、日本サッカー協会(JFA)が初めて選出した「e日本代表」に選ばれた。「FIFA」世界一を決める「eワールドカップ」の2018年大会に出場した経験を持つ、日本人最強の「FIFA」プレーヤーだ。

4月下旬、初めてe日本代表の活動が行われた。マレーシア、台湾、シンガポールと総当たり戦の親善試合。ゲーマー同士の対戦の他に、リアルサッカーの代表選手同士の対戦も行われ、岡崎慎司(ウエスカ)が参加した。「日本代表ってすごい。岡崎選手と一緒にゲームができたり、芸能人と番組に出演できたり。今まではあり得なかった」。ナスリの感想は普通の大学生そのまま。ただ試合が始まれば、日の丸を背負うアスリートの顔になる。

鹿島のeスポーツチームでナスリのコーチを務めるCCV(本名安藤祐作)は「とにかく負けず嫌い。どんな試合も負けたくないと言っている」と評する。日本代表として芸能人と対戦した時には、7-0でボコボコにしたことも。「日本代表の強さを示そうと思った」とナスリ。どんな相手でも手を抜かず勝利を目指す姿は、リアルサッカーの代表と同じだろう。

シュートを打てば何かが起きる――。相手に当たってコースが変わったり、GKがミスをしたりと、サッカーには運任せの側面もあることを表したフレーズだが、ゲーム上でのナスリのプレースタイルはそれを真っ向から否定する。

CCVの言葉を借りれば「詰め将棋のようなパスサッカー」。ゴールから逆算して、パスで相手DFを一枚一枚はがしていく。シュートの入る確率が100%に近づくまで徹底的にボールを回すのだ。勝利に貪欲であるがゆえ、運任せのシュートは絶対に放たない。シュート数と得点数が同じ試合もたびたびだという。

ただそれがあだになることも。点を取るための手数が多く、時間がかかる。ビハインドの状態から逆転するのは一苦労だ。本人も「課題は速攻」と弱点を自覚している。まだまだ伸びしろのある20歳。e日本代表選出は序章にすぎない。=敬称略

(田原悠太郎)

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