PCR検査、ウイルスの死骸を検知か 英大研究

【ロンドン=佐竹実】新型コロナウイルスのPCR検査について、英オックスフォード大学の研究チームは、死んだウイルスのかけらを陽性として検知している可能性があると指摘した。英BBCが7日までに、研究結果を報じた。パンデミック(世界的大流行)の規模を過大評価している可能性があるという。
同大のEBM(証拠に基づく医療)センターの研究によると、感染した人がウイルスをうつす期間は約一週間だが、その後数週間にわたりPCR検査では陽性となる可能性がある。感染力のなくなったウイルスの死骸をわずかに持つ人も陽性とカウントされるためだ。
調査したカール・ヘネガン教授は「ウイルスの有無で陽性・陰性を判断するのではなく、ごく少量のウイルスで陽性結果が出ないように基準を設けるべきだ」と話す。基準があれば、偽陽性を減らして現状をより正確に把握できるほか、不必要な隔離や接触者追跡を減らせるとしている。
検査キットには様々な種類があり、分析や判断基準が違う。そのため一律に基準を設けることは難しいとの声もあるという。PCR検査は偽陽性や偽陰性が一定数出ることが知られている。

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