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ミュンヘン市館、岡山に移設 自衛隊憩う(古今東西万博考)

1970年・大阪

鳥取県境に近い岡山県奈義町にある陸上自衛隊日本原駐屯地。正門を抜けると、ドイツ語で「ミュンヘン」と書かれた2階建ての建物が目に飛び込んでくる。

切り妻屋根が特徴的な建物は、1970年大阪万博で人気だった「ミュンヘン市館」。当時はビアホールを兼ねており、来場者の憩いの場だったという。閉幕後に日本原駐屯地が引き取ったが、移設の経緯が示された資料は残っていない。同駐屯地広報室によると、「パビリオンを譲り受けるには、撤去作業も自前でする必要があった。ここのハードルを乗り越えやすい自衛隊に引き合いがあったのではないか」と話す。

隊員が解体や運搬、復元までの工程を全て担い、完成まで1年かかった。広報室によると、「ミュンヘン」の看板は移設作業中に紛失したため、作り直したという。73年に駐屯地の売店として再出発し、74年には喫茶店や理髪店、服飾雑貨を扱う店舗など17店舗が入っていた。広報室の大石哲司2等陸曹は「当時は現在よりも外出しにくく、娯楽もなかった。ボーナスが出た日に喫茶室でハンバーグなどを食べるのを楽しみにしていた隊員は多かった」と語る。

その後、ミュンヘン市館から売店が少しずつ撤退。2002年からは広報室や武道場として活用し、施設の老朽化に伴い、手すりを塗装し直すなど補修工事も実施している。1970年万博のパビリオンで今なお現役で使われている建物は、ミュンヘン市館を含め国内外に数件残るのみ。大石さんは「今でも駐屯地では集合場所としてよく使われており、売店だった当時を知らない隊員にも親しまれている。これからも大事に使っていきたい」と話した。(高橋彩)

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