あずさ監査法人、会計士研修で不適切受講
あずさ監査法人は7日、公認会計士に履修が義務付けられている研修で一部に不適切受講があったと発表した。本来は同時間帯に1講座を受講すべきところ、eラーニングで複数の講座を同時に視聴したことで、法律で義務付けられた講座の単位を取得できなかった会計士が45人いたという。
あずさは「倫理観が欠如していたほか、社内管理体制も機能していなかった」としている。
不適切行為の対象者に再受講させるほか、法人内のコンプライアンス教育などを強化して再発防止する。
公認会計士法は監査業務の質向上を目的に、会計士に対し年間20以上、3年間で120以上の単位取得を義務付けている。1単位は1時間の研修にあたり、自己学習や研修会参加が必要になる。
日本公認会計士協会の手塚正彦会長は同日の記者会見で「公益に資する会計士制度の根幹である研修を怠った会員がいたことは極めて遺憾」と語った。処分内容はあずさの調査結果に基づき決めるが不適切受講があった会計士については「登録抹消もあり得る」(手塚会長)という。