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ベネチア映画祭コンペ入りした日本のVRアニメ

自分の心臓の鼓動に合わせて画像の中の赤いハートが光を放ち、ロボットのキャラクターとつながる――。「Beat」は、観客の動きによって完成する12分の仮想現実(VR)アニメーションだ。手描きアニメ、CG、VRとキャリアを重ねてきた伊東ケイスケが監督をつとめ、WOWOWと映像会社CinemaLeapが共同製作した。9月12日まで開催していたベネチア国際映画祭VR部門のコンペティション作品に選ばれ、世界から注目されている。

VRアニメには、上下左右すべて映像で描いてその場に居合わせた感覚を味わえる「リニア」、観客の働きかけで完成する「インタラクティブ」の2種類がある。「Beat」は後者の作品だ。観客は大きなゴーグルのようなヘッドセットを装着。聴診器に似た道具を自分の胸に当てると、もう一方の手に持った機器が振動し、映像の中のハートと連動して光のシャワーを放つ。鼓動によって命を吹き込まれたロボットが成長する物語を映像と音楽で表現した。

心音を体感できる触覚技術の存在を知り、「VRと組み合わせたら面白い作品になると確信した」と伊東監督。「鼓動は生きる力そのもの。その力を誰に与えるか考え、無機質なロボットを思いついた」という。ロボットが相手を思いやることを知り、別のロボットと友情を結ぶ。友達ができたうれしさを爆発させるロボットの姿に、観客も喜びを共有する。

「VRアニメは創造した世界観をあますところなく見てもらうことができるうえ、自分の子どものようなキャラクターと観客がコミュニケーションをとることもできる。僕にとっては最高の表現方法」と監督は語る。ベネチア国際映画祭のVR部門は2017年から始まり、日本作品は昨年に続いてコンペ入りした。ただ、韓国や台湾、欧米などでは、日本を上回る創作熱があるという。「来春以降、一般上映の可能性を探りたい」と待場勝利プロデューサーは話している。

(関原のり子)

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