スペイン銀2行が統合検討、国内首位に 経営体力を改善
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【パリ=白石透冴】スペインの大手銀カイシャバンクとバンキアは4日までに、経営統合の検討に入ったと発表した。実現すれば資産規模6500億ユーロ(81兆7600億円)以上となり、国内事業で首位の銀行が誕生する。新型コロナウイルスで同国経済が揺らぐ中、統合で経営体力を高める狙いがある。
欧州メディアによると、カイシャバンクは「統合を評価するための情報交換を始める」。バンキアは「相手と連絡を取っている」などとそれぞれ発表し、検討入りを明らかにした。統合方法は固まっていない。
スペイン政府は2012年、経営不振に陥ったバンキアに220億ユーロを注入して救済した経緯があり、今も同行株約62%を持つ。スペイン紙パイスは、政府が統合後の新銀行の株14%を持つとの見通しを報じた。
2行は競合のサンタンデールやBBVAと比べ、事業が国内に集まっている。統合が実現すれば、国際化が課題の1つになりそうだ。
スペインの銀行は08年の金融危機以降大幅に数を減らしたが、現在も10以上存在する。政府は効率化のために一般に再編を推奨している。
欧州委員会の予測によると、コロナ禍でスペイン経済は20年に11%縮小する。企業の倒産で不良債権が増える恐れもあり、銀行も経営体力を高めるのが課題だ。

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