神経剤使用は国際法違反、NATOがロシア非難

【ブリュッセル=竹内康雄】北大西洋条約機構(NATO)は4日、ロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏が意識不明の重体となった事件を巡り、臨時の大使級会合を開いた。同氏から検出された薬物の神経剤を使うのは国際法に違反しているとしてロシアを非難。真相解明に協力するよう求めることで一致した。
ストルテンベルグ事務総長が会合後の記者会見で明らかにした。会合ではナワリヌイ氏の容体を検査・分析したドイツ政府が、神経剤の使用を断定した経緯などを各国に説明した。
ストルテンベルグ氏は「ロシアはこの深刻な問いに答えねばならない」と述べ、化学兵器禁止機関(OPCW、オランダ・ハーグ)に協力して真相解明にあたるべきだと主張した。その上で「個人だけでなく、基本的な民主的な権利への攻撃だ」とロシアを批判した。
OPCWは3日の声明で、神経剤の使用は化学兵器の使用とみなされると説明し、深刻な懸念を示した。同機関は引き続き状況を注視し、「関係国に協力する準備はできている」と表明した。欧州連合(EU)など西側諸国からはOPCWが国際的な調査を主導するよう求める声が出ている。