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最長財務官は激動期とどう向き合ったか

けいざいを読み解~く(この一冊)

国際経済の潮流は時代とともに変化している。かつてはユーロの誕生に代表される地域主義が台頭したが、企業活動のグローバル化が進む現在では多国間での政策協調が重要となってきている。

浅川雅嗣著、清水功哉聞き手『通貨・租税外交』(2200円、税抜き 日本経済新聞出版)

本書「通貨・租税外交 協調と攻防の真実」は、こうした経済の流れのなか、財務官を史上最長の4年間務めた浅川雅嗣氏がトランプ政権の登場や人民元の急落をはじめとする激動の時代とどう向き合ったかを語る回顧録。日本経済新聞の清水功哉編集委員によるインタビュー形式で展開する。

浅川氏はアジア人として初めて経済協力開発機構(OECD)の租税委員会の議長に就任した。多国籍企業が経済活動をしている国・地域で適切な納税をせず、タックスヘイブンなど軽減税率国に利益を移転することで居住国への課税も逃れる「二重非課税問題」に取り組んだ。それまでのルールを抜本的に見直し、不当な租税回避を許さないというその後の国際租税における大きな流れを形成していった。

新型コロナウイルスに関しては、公衆衛生上の危機を金融危機や通貨危機に発展させないよう金融政策や通貨スワップなどを活用した多国間の協調が欠かせないと説く。今後の世界経済を構想する上でのヒントに満ちた1冊だ。(干場健太郎)

[日経ヴェリタス2020年5月10日付]

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