米国の裏付けとらず地元説明 イージス断念、防衛省
防衛省は4日、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画断念に至る経緯の検証結果を発表した。開発を担う米国側の裏付けをとらずに、迎撃ミサイルのブースター(推進装置)の落下地点を制御できると地元に説明していた点を明らかにした。
検証結果は「イージス・アショアの配備を急ぐ必要があると考え、米側との協議と地元説明を並行的に実施することとなった」と説明。「結果的に地元に約束したことが実現できなくなり、慎重さ、誠実さを欠いた対応となった」と評価した。
河野太郎防衛相は同日の閣議後の記者会見で「省内の意思疎通や情報共有など、風通しのいい環境を作る必要がある」と述べた。「地元の皆さまに大変ご迷惑をおかけした」と改めて陳謝した。
イージス・アショアは河野氏が6月に計画停止を表明した。配備候補地の山口県ではブースターを陸上自衛隊むつみ演習場内に落下させると地元に説明していたが、演習場の外に落下する可能性も排除できないと判明した。落下地点を制御する改修には10年程度、2000億円規模がかかるため、計画断念を決めた。