/

被災時のお金の手続き 生活再建に義援金や保険金

災害に備えるお金の安心マニュアル(下)

頻発する自然災害から暮らしを守るために必要な金銭面での準備について考える「災害に備えるお金の安心マニュアル」。前回に引き続き今回は、被災後の生活再建をスムーズにするために知っておきたいお金関連の手続きを紹介する。

公的支援を受けるには罹災証明書が必要

自然災害に見舞われたら、第一に自分と家族の安全を確保し、落ち着いたら生活再建の準備に取り掛かろう。

まず、住まいの状況を確認して、室外・室内の被害を受けた部分をスマートフォンなどで写真に撮っておく。色々な角度から複数枚撮るといい。写真は「罹災(りさい)証明書」の申請や、火災保険・地震保険の請求に使える。

罹災証明書は、公的な支援や義援金などを受け取るのに必要な書類。被災した建物の所有者や世帯主が、市区町村の窓口やサイトから申請書を入手し、必要事項を記入して提出する。大きな災害の場合、罹災証明書の申請の受け付け開始までに日数がかかることがある。役場の窓口以外で対応することもあるので、こまめに情報を収集しよう。

罹災証明書の申請をすると被害状況の調査が行われる。全壊・大規模半壊・半壊・準半壊などに認定されれば、それに応じて公的支援が受けられる。

保険金を受け取る手続きを忘れずに

住まいが全壊した場合は、国の被災者生活再建支援制度により最大300万円受け取れるが、それだけでは生活再建はままならない。そこで頼りになるのが火災保険・地震保険だ。

保険金を受け取るためには、加入している損害保険会社か代理店に連絡する。損保会社は電話の他、ネットでアクセスできるところもある。損保会社には、証券番号、氏名、住所などを伝える(証券番号は分からなくても調べてもらえる)。加入している損保会社が分からない場合は、「自然災害等損保契約照会センター(0120-501331)」で調べられる。

損保ジャパン保険金サービス企画部損害サービスグループ特命課長の池永敦さんによると、「大きな災害で、損害が見込まれるエリアに住んでいるのに連絡がない契約者には、損保会社が被害の有無を確認するため連絡することもある」。保険金請求の時効は3年だ。

地震や水災の場合は、連絡を受けた損保会社の調査員が来て、損害状況を確認する。風災などの場合は壊れた家の修理費の見積書または領収書と写真を送ればいい。保険金額は損害の程度に応じて決まる。「写真は必須ではなく、被災直後の写真でなくても構わないし、調査員が来る前に家の中を片付けても大丈夫」(池永さん)

災害に備え現金を用意しておく

紛失したキャッシュカード・クレジットカードは利用停止の届け出を。運転免許証や健康保険証などを紛失した場合は、再発行の申請をする。

災害で停電すると、ATMやクレジットカード、電子マネーなどは使えなくなる。公的支援や保険金の受け取りまでには時間がかかるので、当面の生活費に困らないようある程度の現金を、小銭も含めて手元に用意しておくといい。

被災した時、このお金はどうなる?


通帳・キャッシュカード、クレジットカード
被害が大きい地域では、通帳・印鑑・キャッシュカードがなくても、一定額までは預貯金が引き出せることが多い。キャッシュカード、クレジットカードは紛失すると不正に使われてしまう可能性があるため、速やかに金融機関やカード会社に利用停止の連絡をしよう。

電子マネー
Suicaなどの交通系プリペイドカードの定期券や記名式のものを紛失したら、鉄道会社で利用停止・再発行が可能。「〇〇ペイ」などのコード決済でチャージしたスマホをなくした時は、決済会社に利用停止の連絡をする。新しいスマホで再設定すれば残高は維持される。

現金
燃えたりぬれたりちぎれたりしたお札は、日本銀行の支店の窓口へ持っていくと奇麗なお札に交換してもらえる。券面の3分の2以上残っていれば全額、券面の5分の2以上3分の2未満が残っていれば半額となる。

生命保険・医療保険
保険証券を紛失しても保険会社に連絡すれば契約の確認や請求の手続きができる。保険会社が分からない時は、災害救助法適用地域であれば生命保険協会の「災害地域生保契約照会センター(0120-001731)」で調べられる。

(ファイナンシャルプランナー・馬養雅子)

[日経マネー2020年10月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年10月号 アフターコロナの配当生活入門

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/8/21)
価格 : 750円(税込み)

すべての記事が読み放題
まずは無料体験(初回1カ月)

関連企業・業界

企業:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン