未来面「やり方を変えましょう。」

フォローする

 日本経済新聞社は、読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する「未来面」を展開しています。今期のテーマは「やり方を変えましょう。」 革新的なアイデアをお寄せください。企業のトップが選んだ優れたアイデアは新聞紙面や日経電子版で紹介します。

化粧品は私たちの生活に何をもたらしてくれる?
魚谷雅彦・資生堂社長 経営者編第4回(9月7日)

未来面
2020/9/7 2:00
保存
共有
印刷
その他

化粧を縁遠い存在に感じる読者もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。化粧品「コスメティクス」のギリシャ語の語源、「コスモス」は宇宙、調和、美的な秩序などを表し、とても奥行きのある意味を内包しているのです。新型コロナウイルスによるニューノーマル(新常態)の中で「化粧とは何か、何ができるのか」について読者の皆さんと一緒に考えたく、お話をしたいと思います。

魚谷雅彦 資生堂社長

魚谷雅彦 資生堂社長

コロナは私たちに健康の大切さを改めて実感させました。健康意識の高まりは、化粧が持つ普遍的な力をさらに引き出すと信じています。化粧は気持ちを明るく、前向きな姿勢にしてくれますよね。食生活や睡眠にも気が回ると、肌も元気になり、美へとつながります。化粧は美と健康を融合する役目を担っています。

誰でも印象を良くしたいですよね。私は2013年から資生堂にお世話になっていますが、その前から洗顔や保湿を心がけていました。男性読者も健康的に見える化粧には関心があるでしょう。若く、健康的な印象を内面からも醸し出す化粧は老若男女にとって大切なはずです。

資生堂は化粧品を製造・販売するだけの会社ではありません。「社会生活をもっとより良くしたい」と考えています。美と健康を通して一人ひとりの幸せ、新しい価値を創造することにお役に立ちたいのです。

資生堂は明治5年(1872年)に東京・銀座で始めた薬局がルーツです。この年は改暦など日本が国際社会へ参加する激動の時期と重なりました。西洋の薬品を扱い、健康を願い、衛生を心がける思いが根底にあります。社名は新しい価値の創造を意味する中国の易経、「万物資生」から名付けました。東洋と西洋の融合です。

日本でも美容部員がライブコマースによって化粧品を説明し、販売につなげている

日本でも美容部員がライブコマースによって化粧品を説明し、販売につなげている

化粧品ビジネスが軸になった現在でもその考えは全く変わりません。昨年、企業ミッションを「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」と定めたのはそのためです。コロナ禍にあって原点に戻り、化粧が持つ可能性、機能について皆さんと深く考えていきたいです。

幸いにも、デジタル化の波が価値創造に役立っています。コロナで一時期、お客様から直接、お肌の相談などを伺うことができなくなりましたが、中国では美容部員がネットで商品説明や視聴者からの質問に丁寧に答えるライブコマースを展開、大きな成果を上げました。お客様との信頼関係を築いたのは間違いありません。イノベーションが10年くらい時間を早めた気がします。

改めて皆さんにお尋ねします。「化粧とは何か、何ができるのか」「化粧が私たちにもたらす価値とは何か」を皆さんの体験などをもとにアイデアを寄せてください。お願いします。

魚谷雅彦・資生堂社長の課題に対するアイデアを募集します。投稿はこちらから。

■編集委員から

「新型コロナは色々なことを考えさせてくれる」。魚谷雅彦社長は今年1月にコロナの脅威が明らかになって以降、化粧と社会の在り方について自問自答しているそうです。皮肉なことにテクノロジーが発達しても想定外のことに直面します。ただ、心がけているのはそうした事態が起きたときに行動を迅速に起こすよう社内で説いていることです。

医療従事者に感謝を込めてメーキャップのお手伝いやヘアカットなどを提供したのは、美容が持つ前向きになれる力を信じているからです。緊急事態宣言の中、医療機関向け消毒液の製造・提供もいち早く進めました。東日本大震災の発生直後にはヘアケア製品などといっしょに鏡を届けました。避難所に鏡がなかったため、女性から大変、喜ばれたそうです。相手の立場から考える姿は資生堂のDNAなのです。

愛や心が伝わるアイデアをお寄せください。(編集委員 田中陽)

◇   ◇

 今回の課題は「化粧品は私たちの生活に何をもたらしてくれる?」です。400字以内にまとめた皆さんからの投稿を募集します。締め切りは9月16日(水)正午です。優れたアイデアをトップが選んで、28日(月)付の未来面や日経電子版の未来面サイト(https://www.nikkei.com/business/mirai/)で紹介します。投稿は日経電子版で受け付けます。電子版トップページ→ビジネス→未来面とたどり、今回の課題を選んでご応募ください。
日経COMEMO(https://comemo.nikkei.com/n/n727104cd73be)でも各業界のキーオピニオンリーダーたちが今回の課題について議論しています。アイデアの参考にしてください。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ

電子版トップ連載トップ