
コロナで見えた 国家と超富裕層の力 成田悠輔氏
パクスなき世界 米エール大助教授
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新型コロナウイルスによる危機をきっかけに世界は不連続の時代に入りました。あすはきのうの延長線上になく、古代ローマでパクスと呼ばれた平和と秩序の女神のいない世界が広がります。「パクスなき世界」のあすを考えるための視座をどこに置くべきでしょうか。公共政策などに詳しい米エール大の成田悠輔助教授に今後の国家や個人の役割などについて聞きました。
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――コロナ禍で国家の役割が強くなりました。
「経済が前例のない供給ショックと需要の消失に襲われ、市場が身動きをとれなくなったためだ。政府は国民に現金を配るなど社会保障をフル稼働させているが、経済活動を復活させるには程遠い。旅行やイベントなど特定の産業が動くことができないのだから当然のことだ」
「コロナ禍では国家と共に超富裕層の持つ力も目立った。例えば

新型コロナウイルスの危機は世界の矛盾をあぶり出し、変化を加速した。古代ローマの平和と秩序の女神「パクス」は消え、価値観の再構築が問われている。「パクスなき世界」では、どんな明日をつくるかを考えていく。