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ロシア、米大統領選で郵便投票標的か 偽情報に米警戒

【ワシントン=中村亮】米大統領選での郵便投票についてロシアが偽情報を拡散したと米政府が分析していることが3日、分かった。ロシアの国営メディアや関連サイトが郵便投票拡大で不正が起きやすくなると主張したという。有権者が郵便投票の利用を避けるほどトランプ大統領が優位になるとの見方がある。

米ABCテレビによると国土安全保障省は3日、全米各州に宛てた文書でロシアが郵便投票を通じた不正疑惑を拡散させていると指摘した。具体的にはロシアの国営メディアや関連サイトは、州当局が古い選挙人名簿に基づき死者など投票資格を持たない人に対して投票用紙を送る可能性があると指摘。郵政公社が大量の投票用紙を配送できず集計が遅れて不正行為の余地が生まれるとも主張したという。

ロシアの活動は遅くても3月から始まったという。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各州の予備選で郵便投票が急増した時期と重なる。国土安全保障省は「コロナ下での選挙プロセスに対し人々の信頼を損ねる狙いだ」と分析した。ロシア政府は米国での選挙介入を一貫して否定している。

米国家情報長官室は8月上旬、ロシアがトランプ氏の再選を後押ししていると分析した。郵便投票をめぐるロシアの工作活動疑惑は情報機関の分析と一致する。米モンマス大の調査によると、民主党支持者の72%が郵便投票を利用すると回答し、共和党支持者(22%)を大きく上回った。郵便投票を取りやめコロナ感染を恐れて投票所にも足を運ばない有権者が増えればトランプ氏に追い風とみられる。

ロシアへの疑惑は郵便投票に強い疑念を抱くトランプ氏の主張とも重なる。トランプ氏は2日に訪れた南部ノースカロライナ州で地元メディアに対し「(有権者は)郵便投票をした上で投票所にも行くべきだ」と指摘した。郵便投票の拡大で不正が起きやすくなるとの見方を改めて示したものとみられるが、同州で重罪にあたる2回の投票を促したとも受け取れる発言だ。

ノースカロライナ州の司法長官は2日、ツイッターで「トランプ大統領が選挙で混乱を引き起こすため有権者に対して法を破るよう促した」と批判した。これに対し、マクナニー大統領報道官は3日の記者会見で「大統領の発言は郵便投票をして、それがカウントされていなければ投票所に行くべきだという意味だった」と釈明した。

米国では州によって郵便投票のルールが異なる。全ての有権者に投票用紙を送ったり、希望者のみが申請して郵便投票ができるようになったりするケースがある。コロナの感染拡大を受け、郵便投票をしやすくする州が増えている。

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