ジャマイカ、総選挙の投票開始 与党優位か
【メキシコシティ=宮本英威】カリブ海のジャマイカで3日、総選挙の投票が始まった。世論調査では、アンドリュー・ホルネス首相が率いる与党ジャマイカ労働党(JLP)が、野党の人民国家党(PNP)に対して優位に立つ。ただ選挙戦の終盤で、新型コロナウイルスの感染者数が増えている影響で、野党が追い上げている。

下院63議席を小選挙区制で争う。任期は5年。ジャマイカは二大政党制で、選挙前にはJLPが34議席、PNPは29議席を保有していた。公共投資の強化や消費減税の実施で、新型コロナが広がる前までは経済は堅調に推移していた。雇用も良好だっため、与党が優位に選挙戦を進めていた。
人口295万人の島国で、新型コロナの累計感染者数は2日時点で2822人、死者数は27人となった。8月下旬から感染者が増えており、陸上男子短距離の元スター選手であるウサイン・ボルト氏の感染も明らかになった。
観光への依存が高いため、経済への影響は大きい。ジャマイカ銀行(中央銀行)は20年度の実質経済成長率がマイナス7~マイナス10%となると見通している。
前回2016年2月の総選挙ではJLPが約4年ぶりの政権交代を果たした。ホルネス氏は同年3月から、2度目の首相を務めている。