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JR東日本の終電繰り上げ 東京駅から100キロ圏内対象

「スイカ」を使った回数券サービスも

JR東日本は3日、2021年春のダイヤ改正で、東京駅から100キロ圏内のほぼすべての路線で終電の時刻を繰り上げると発表した。首都圏全域で同時に繰り上げるのはJR東の発足以来初めて。合わせて交通系ICカード「Suica(スイカ)」を回数券のように使えるポイントサービスを導入し、利便性の向上も図る。

繰り上げは山手線や中央線などで実施する計画で、10月に路線ごとの繰り上げ時間を発表する。終着駅の到着時刻をおおむね30分程度繰り上げ、午前1時ごろに設定。一部路線では始発の時間も遅くする予定だ。深沢祐二社長は3日の定例会見で「対象は列車キロ全体の1%未満なので、収入への影響はほぼない。安定的に運行するのに必要だと利用者の皆さんに理解していただきたい」と説明した。

来春のダイヤ改正に合わせて、利用状況に応じてたまるポイントを活用し、スイカを使った回数券サービスを始める方針も明らかにした。詳細は検討中だが、利用回数に応じてポイントのたまりやすさを変えることなどを検討しているようだ。

深沢社長は将来、定期券を料金別に複数用意する考えも示した。「どの時間でも使える定期は少し値上げして、その代わりオフピークの定期は値段を下げることで提供したい」(深沢社長)という。

新型コロナウイルスの流行以来、旅客需要の低迷が続く。8月に入っても平日の山手線の終電近くの利用者数は前年同月比で66%減など厳しい。テレワークの普及で通勤手当を廃止する企業も増えている。JR東は新たな運賃体系の構築で、環境変化に対応する。

一方、JR東では終電繰り上げで終電から始発にかけての保守・点検作業時間を確保し、作業員の負担を軽減する考え。保守や点検にあたる作業員は勤務体系が不規則なため若者から敬遠されがちで、過去10年で約2割減少していた。

終電の30分の繰り上げで保守点検時間が増えれば搬出入に時間を要する大型機械を使った作業がしやすくなる。現場に割り当てる人数を減らせれば、作業員の休日を増やすことも可能になるとJR東はみている。

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