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9割熱傷、培養皮膚で救命 京アニ容疑者の主治医報告

全身の皮膚の9割に重いやけどをした患者に、患者自身の損傷していない皮膚の細胞を培養してつくった表皮などを貼り付け、救命に成功したと、鳥取大病院救命救急センターの上田敬博教授が3日、大阪市で開催中の日本熱傷学会で発表した。関係者によると、患者は昨年7月の京都アニメーション放火殺人事件で殺人などの容疑で逮捕された青葉真司容疑者(42)。

移植には亡くなった他人の皮膚の備蓄を使うことが多いが、重症熱傷の被害者が多数同時に発生する異例の事態で、移植用皮膚が枯渇する懸念から、青葉容疑者には使われなかったとみられる。

上田氏は「多くの患者が発生し、備蓄した皮膚が枯渇しても、自身の皮膚を使う有効な治療法があることを示せた」と話した。青葉容疑者は近畿大病院で本格的な治療を受け、当時在籍していた上田氏が主治医だった。

やけどした皮膚を除去し、表皮の下にある真皮の代わりにコラーゲンやシリコーンでできた人工真皮を貼る手術を4回実施。その後、左下腹部の8平方センチの皮膚に含まれる細胞を培養してつくった表皮を5回に分けて全身に貼った。血圧などが改善し、約80日で人工呼吸器が不要になった。

人工真皮には細胞や血管が入り込んで組織が再生、移植は成功した。培養には時間がかかり、細菌などの侵入を防ぐ皮膚が不完全な状態が続くため感染症が懸念されたが、栄養や感染管理など医療チーム内の専門家の連携で乗り切ったとした。

表皮を作製したジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(愛知県蒲郡市)によると、1~2平方センチの皮膚を基に、約3週間で80平方センチの表皮が最大200枚できる。本人の組織のため拒絶反応がないのが長所で、2009年に保険適用され、受注は千件を超えた。〔共同〕

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