
想定外を想像できるマインドが重要に 石倉洋子氏
パクスなき世界 一橋大名誉教授
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新型コロナウイルスによる危機をきっかけに世界は不連続の時代に入りました。あすはきのうの延長線上になく、古代ローマでパクスと呼ばれた平和と秩序の女神のいない世界が広がります。「パクスなき世界」のあすを考えるための視座をどこに置くべきでしょうか。グローバル人材などに詳しい一橋大の石倉洋子名誉教授に人々の働き方や企業がとるべき対応などについて聞きました。
――危機の時代にどんな心構えが必要でしょうか。
「新型コロナウイルスで人類は生きるか死ぬかの状況に直面した。今まで経験したことがないような事態をきっかけに、人々は自分の人生を見つめ直すようになっている。明日死ぬなら何を残したいか、と考えると人生の優先順位が変わる」
「コロナで当たり前だと思っていた前提条件が根底から揺らいでいる。人々が集まって一緒に何かをする、ということができなくなった。家族がコロナにかかったら会えなくなり、亡くなるときも一緒にいられなくなってしまった。今までと同じ日常が続くという、という前提を思い直すきっかけになった」
「コロナ後は『What if?(もし何か起きたらどうする?)』と想...
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新型コロナウイルスの危機は世界の矛盾をあぶり出し、変化を加速した。古代ローマの平和と秩序の女神「パクス」は消え、価値観の再構築が問われている。「パクスなき世界」では、どんな明日をつくるかを考えていく。