日産、炭素繊維部品「24年にも量産化」 採用拡大へ

2020/9/3 16:44
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日産自動車は3日、車両の軽量化や燃費向上につながる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品を2024年にも量産化する方針を明らかにした。設計段階でシミュレーション技術を用いることで、開発期間を半減できるメドが立った。今後はさらにコスト削減に向けて技術開発を進め、量産体制の早期構築を目指す。

車両の軽量化や燃費向上につながる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品の採用拡大を目指す

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部品の開発期間を短縮する

3日に開いたオンライン会見で、日産の坂本秀行副社長が明らかにした。CFRPは炭素繊維を樹脂でつくる新素材だ。軽さと強さを両立し、単純比較で鉄に比べて約5割の軽量化につながるとされる。

ただ現状では鉄に比べて約10倍のコストがかかるのに加え、製造工程も複雑で時間がかかるため広く普及していない。そのため日産でもスポーツ車「GT-R NISMO」など一部車種での採用にとどまっている。

製造上のネックは部品の成形だ。金型内の炭素繊維に樹脂を充填するとき、均一に樹脂が流れ込みにくいのが課題だった。その結果、何度も金型を試作する必要があったという。

そこで日産は炭素繊維上を流れる樹脂の摩擦抵抗や樹脂の温度変化を計算式に含め、新たなシミュレーション方法を確立した。設計段階での高精度の予測が可能になり、開発期間を半減できるようになったという。

坂本副社長は「部材の生産スピードは2分に1個と、車と同じペースで生産できるようになった。24~25年に投入する新型車に部材として使っていく」と表明した。多目的スポーツ車(SUV)などを対象に、幅広い部材として採用する見通しだ。

日産は二酸化炭素(CO2)排出量を22年度までに00年度比で4割減、さらに50年度までには同9割減らす目標を掲げている。目標達成には電動化に加えて車両の軽量化を通じた燃費性能の向上が急務だとして、CFRPの技術開発を加速させる。

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