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アフリカから距離越え子守 コロナ禍、リモートで遊び

約1万2千キロの距離を越え、アフリカ・ルワンダのシングルマザーたちがオンラインシッターになって日本の子どもを楽しませている。シッターを務めるのは、新型コロナウイルス禍の観光客減に苦しむ飲食店従業員。歌や複雑なリズムを用いた遊びと、日本から見れば格安の利用料金で人気を集めている。

ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用。パソコンの画面越しに大勢のシッターから「グマ、グマ」と現地語の掛け声が入ると、ルワンダに広く伝わるリズムに合わせ、日本の子どもが手拍子を始めた。

音楽や遊びに加え、買い物や家庭料理を作る様子も中継。空中で野菜を切る包丁さばきに、保護者からも歓声が上がる。シッターに会えるのは1日2回の各1時間で、現地語や英語、日本語が入り交じる。

2歳の長男と参加する福井県高浜町の亀川豊親さん(36)は「近所のリトミック教室では体験できないグルーブ感がある」と驚いた様子。長男は常連になり、一人でも教わった音楽を口ずさみ、おもちゃの太鼓で遊ぶようになった。

立ち上げたのは、首都キガリで営む日本料理店でシングルマザーを雇用して支援をする山田美緒さん(38)と、知人で福岡県福津市の中嶋雄士さん(30)。きっかけは、日本で新型コロナによる外出自粛が続く4月、オンライン上のバーだった。「休園で家にいる子どもにもオンライン交流を体験させたい」。バーを利用していた亀川さんの言葉を居合わせた中嶋さんが聞き、立ち上げを山田さんに持ちかけた。

ルワンダは3月にロックダウン(都市封鎖)を敷き、山田さんの店も客足が途絶えていた。従業員の賃金に充てようと、シッターの月額料金を従業員の月収と同じ3千円に設定。従業員約20人がシッターに転身した。

亀川さんは「日本の小さな町からも利用できて、コロナ以前は想像もできなかった世界だ。長男が成長したら、自分のお小遣いとシッターの月収を比べ、何か気付くこともあるだろう」と語る。

笑顔で明るいシッターだが、歌う曲には戦争に触れる歌詞もある。「子どもよ泣かないで。もし戦争が起きたら、寂しくない牛からとれる牛乳をあげる」。山田さんによると牛乳はルワンダでは隣人愛の象徴。「日本の常識を超え、身近な物の見方が変わる体験になればうれしい」と話す。〔共同〕

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