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米財政赤字、3倍の350兆円に 政府債務最悪GDP比126%

議会試算

(更新)
新型コロナの経済対策は未曽有の規模に(6月、失業保険の手続きに並ぶ人々)=ロイター

【ワシントン=河浪武史】米議会予算局(CBO)は2日、今後10年間の財政見通しを改定し、2020会計年度(19年10月~20年9月)の財政赤字が前年度比3倍の3.3兆ドル(約350兆円)に膨らむと指摘した。連邦政府債務も国内総生産(GDP)比で126%まで膨張し、第2次世界大戦直後を超えて過去最悪となる。

利払い費は今後10年で倍増し、将来世代のツケも残る。

CBOは3兆ドル規模の新型コロナウイルス対策を加算して財政試算を改定した。3月時点の前回試算では20年度の財政赤字を1兆730億ドルとみていたが、歳出が前年度比1.5倍の6.6兆ドルに膨らんで、赤字幅が急拡大した。

赤字幅は金融危機直後の09年度(1.4兆ドル)を超えて過去最悪となった。GDP比でも16%と09年度(9.8%)を大幅に上回り、第2次大戦後で最悪だ。21年度は赤字幅が1.8兆ドルに縮小するとみるが、議会は1兆ドル超の追加経済対策を検討しており、先行きは下方修正が避けられない。

20年度の連邦政府債務は過去最悪の26兆ドルに膨らむと予測する。GDP比で126%と第2次大戦直後の最悪期(1946年、119%)を突破しそうだ。

国際通貨基金(IMF)が予測する世界平均(96%)を大幅に上回り、主要国では日本(252%)やイタリア(156%)に次ぐ水準となる。債務残高は30年度には38兆ドルまで増える見通し。

そのため、30年度の利払い費(利息収入を差し引いたネット)は6640億ドルと、20年度(3380億ドル)の約2倍に膨らむ。30年度は国防費(8880億ドル)に近づく規模になり、米財政を大きく圧迫する。

もっとも、3月時点の予測では、30年度の利払い費を8280億ドルとみていた。当時は今後10年間の米国債の平均金利を2.3~2.8%と試算したが、今回は1.2~2.1%と大幅に引き下げた。連邦政府の債務は増大したが、米連邦準備理事会(FRB)のゼロ金利政策で利払い負担はむしろ軽くなる。

米国は第2次大戦時にも巨額債務を抱えたが、政府歳出を戦後は大幅に圧縮。FRBも長期金利の上限を2.5%に設定する「国債管理政策」を敷いて財政再建に協力した。政府債務は1960年度にGDP比で54%まで縮小したが、FRBの低金利政策は一時20%近いインフレを招き、景気と物価は乱高下を余儀なくされた。

今回はコロナ危機後の歳出の圧縮がさらに難しい。人口の高齢化で医療・社会保障費が一段と増加するためだ。トランプ大統領は2期目の公約として年1兆ドルの税収がある「給与税」の引き下げを公約し、対抗する民主党のバイデン前副大統領は10年で3兆ドルもの巨額増税を検討する。11月の大統領選に向けて、財政問題も大きな争点となる。

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