ロシア反体制指導者に神経剤、独政府が断定

2020/9/2 23:27 (2020/9/3 5:37更新)
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神経剤ノビチョクで襲われたロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏=ロイター

神経剤ノビチョクで襲われたロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏=ロイター

【ベルリン=石川潤、モスクワ=石川陽平】ロシア国内で意識不明の重体となった同国の反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏について、ドイツ政府は2日、ノビチョク系の神経剤が使われた「疑いのない証拠」が見つかったと発表した。ドイツ政府は声明で同氏への攻撃を厳しく非難し、ロシア政府に対して強く説明を求めた。

メルケル独首相は同日開いた記者会見で、事件が「毒殺の試み」だったと断定した。さらに「ロシア政府だけが答えることができ、答えなければならない重大な問題」があるとも述べ、事態の解明を要求した。

■ロシア政府は反発

これに対し、ロシア外務省のザハロワ情報局長は2日、神経剤が使われたとのドイツ政府の発表について「すべて(反ロシアの)情報戦になっている」と反発した。タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は2日、ナワリヌイ氏がベルリンに移送される前に様々な検査が行われたが、有毒な物質は何も発見されなかったと述べた。

神経剤の使用は、ナワリヌイ氏が入院しているベルリンの大学病院の医師団の依頼で、軍の研究所が実施した検査によって明らかになった。ドイツ政府は欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)と連携して今後の対応を検討していく。欧ロ関係の一段の緊張は避けられない情勢だ。

ナワリヌイ氏は8月、西シベリアからモスクワに向かう機内で意識を失い、ロシア国内の病院に搬送された。関係者によると、同氏は空港でお茶を飲んだ後に搭乗し、離陸直後に体調が急変したという。

その後、独仏首脳が同氏への支援を表明。人権団体が特別機を派遣し、同氏をドイツの病院に移送していた。

ナワリヌイ氏はプーチン政権への批判で知られるロシアの反体制派の代表的な人物だ。同氏は9月の地方選に向けて、与党の候補者の当選を阻むため、対立候補への投票を呼びかける運動を展開していた。同氏は2019年にも収監先のモスクワの施設で顔が腫れるなどして入院し、毒物が原因の疑いがあると主張していた。

18年には英国で元情報機関員が神経剤ノビチョクで襲われて重体になる事件があった。英国はロシア軍の情報機関の関与を指摘して制裁に踏み切ったが、ロシアは強く反発していた。

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