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米国株の配当で月収29万円 リタイア生活にもゆとり

配当長者の投資戦略(3)

株式投資で年100万円を超える配当収入を得ている「配当長者」たちの投資手法を紹介する「配当長者の投資戦略」。最終回は、年348万円の配当金を得ている個人投資家のエルさん(ハンドルネーム)の投資手法を紹介する。
米国株ETFの分配金の入金予定を知らせる証券会社の電子メール

投資ブログ「【L】 米国株投資実践日記」を運営し、ツイッターで1万人のフォロワーを持つエルさん(ハンドルネーム)。株式投資で1億円を超す資産を築き、昨年1月に51歳でアーリーリタイアを果たした。

現在は運用資産の7割を米国株投資に振り向け、残りの3割を日本株に投資している。米国株投資では、配当と値上がり益の2つの合計で利益を出すことを目指しているという。

昨年1年間に米国株で受け取った配当は、約1万2400ドル(約131万4400円)。日本株の配当を加えると、配当の総額は348万円になった。米国株の配当は全て再投資している。

米国企業は四半期ごとに配当を出すのが通例だ。保有株の決算期がばらけているため、「米国株の個別銘柄やETF(上場投資信託)の配当・分配金の入金を通知するメールを、証券会社から毎月受け取っている」とエルさん。

「それで保有株が刻々とお金を生み出してくれていることを実感する。それが、アーリーリタイア後の生活に不安が生じるのを防ぐ役目も果たしている」と続ける。

方向性を欠く相場に対応

もっともエルさんの場合、先述のように配当の獲得を主眼にはしていない。あくまで値上がりと配当のトータルで利益を出そうとしている。そのため、保有する米国株・ETF70銘柄の配当・分配金の利回りにも大きな幅がある。無配の銘柄がある一方で、4%を超す銘柄もあるといった具合だ。

最も保有比率が高いのは、配当利回り2.5~3%の銘柄だ。これには、今のエルさんの投資スタンスが強く反映されている。米国株はコロナショックで暴落した後に急回復し、ハイテク株中心の米ナスダック総合株価指数と米S&P500種株価指数は史上最高値を更新した。全体的に過熱感が強まり、方向性を欠く展開になっている。

「上昇相場が続く可能性もあれば、下落相場に転じる可能性もある。そこで、両方に対応したスタンスを取ることにした」

具体的には、米国株のリード役となっているハイテク株と、生活必需品を扱って不況時にも底値が堅いディフェンシブ銘柄に、それぞれ2割を配分した。上昇相場が続けばハイテク株の値上がり益を享受し、下落相場ではディフェンシブ株で下落幅を抑えるという両にらみの布陣だ。配当利回り2.5~3%の「やや高配当」の銘柄が厚くなったのは、ディフェンシブ銘柄の保有株の中に、配当利回りがこの範囲に収まるものが多く含まれているからだ。

コロナショック後に購入した銘柄にも、この投資戦略が表れている。購入金額が最も大きかったのは、ディフェンシブ銘柄の組み入れが多いETF「バンガード・米国増配株式ETF(VIG)」。次がハイテク株の代表銘柄マイクロソフト(MSFT)だ。

米国株については銘柄を入れ替えず、保有銘柄を配当金で買い増ししていく方針だ。「1年くらいは今のポートフォリオ(構成)を続けて、有効性を確認したい」とエルさんは話している。

(中野目純一)

[日経マネー2020年10月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年10月号 アフターコロナの配当生活入門

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/8/21)
価格 : 750円(税込み)

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