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獣害対策にモンキードッグ 「犬猿の仲」効果、長野

人里に出没し、農地を荒らすサルを山奥に追い払う犬「モンキードッグ」が長野県大町市で活躍している。専門訓練を受けた飼い犬が住民とともに畑を守る。本年度から全地球測位システム(GPS)を活用してサルの群れの動きを把握する試みも始め、「犬猿の仲」とITを活用した獣害対策に乗り出している。

山間部の地域では2000年ごろから、リンゴやソバの実などの農作物が食い荒らされ、ふん尿による汚染問題が深刻化。屋根の上をサルが跳び回り瓦がずれる被害もあった。市担当者は「民家の裏手に耕作放棄地が増え、野生動物のすみかが人里に近くなってきたのでは」と分析する。

市は15~16群およそ900匹のサルが、生息していると推測。花火や大きな音で追い返す取り組みをしたが効果が出にくく、市は05年に全国で初めてモンキードッグの育成を開始。実際に運用を始めると人里に出没するサルの群れが激減した。

今年8月時点で21匹が活躍。犬種にかかわらず応募でき、訓練士が適性があると判断すれば5カ月間の専門訓練を受けられる。「人に危害を加えない」「サルだけを追う」「飼い主が呼んだら戻る」を覚えれば認定され、立派にサル追いができる。飼い犬は係留が原則だが「仕事中」は例外だ。

会社員、中山裕朗さん(57)の甲斐犬「モモ」は1歳5カ月の中型犬、今年3月にデビューした。自宅近くで週3回程度、オレンジ色のベストを着け、サルを追い払う。中山さんによると、モモは最近、他の家庭のモンキードッグとも連携をとれるようになったという。

市は、サルの首に付けたGPSとスマートフォンアプリを連携させ、人里への接近を察知すれば犬をいち早く出動させる計画も検討中だ。訓練士の磯本隆裕さん(67)は「地域住民が一丸となり被害をなくす意識が大事。進化する技術を活用しながら、サルの群れごとの管理を徹底したい」と意気込んだ。

過去にはサルに夢中で犬が道路に飛び出し、軽トラックにはねられる事故もあった。市は幹線道路に「モンキードッグ活動中、減速を」と看板を立て注意を促している。〔共同〕

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