Zoomの株価1日で41%上昇、時価総額IBM超え

【シリコンバレー=佐藤浩実】米株式市場で1日、ビデオ会議サービス「Zoom」を運営する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの株価が急騰した。終値は前日比で41%高の457.69ドル。前日の好決算を受けて成長期待が高まったためで、終値ベースの時価総額は1291億ドル(約13兆6800億円)と米IBMを上回った。
ズームが8月31日に発表した2020年5~7月期決算は、売上高が前年同期比4.6倍の6億6352万ドル、純利益が同34倍の1億8574万ドルだった。いずれも市場予想を大幅に上回り、21年1月期通期の売上高見通しも従来より約3割引き上げた。

ズームの好決算は新型コロナウイルス禍で急増したビデオ会議の利用が「一過性」ではなく「定着」しつつあるさまを示した。オフィスの再開は徐々に進んでいるものの、コロナを機に恒久的な在宅勤務を認めるなど働き方を見直す企業が増えたためだ。決算後にズームの目標株価を引き上げる証券会社も相次いだ。
これにより、ズームの株価は1日午前に5割近く上昇した後、前日終値を41%上回る水準で引けた。終値ベースの時価総額は1291億ドルとなり、米IT(情報技術)業界の古豪であるIBMの1099億ドルを抜いた。米経済番組のCNBCによれば、米IT大手でトップ20に入るという。
19年に新規株式公開(IPO)した新興企業としても時価総額の首位に立つ。当時、最有力企業として期待されていたライドシェア大手、米ウーバーテクノロジーズの時価総額は601億ドル。1日時点でズームは2.1倍に上り、コロナを経て企業の評価も様変わりした。