党員投票見送り、自民党総裁選  幹部「準備に2カ月」
予備選に動く県連も

菅内閣発足
2020/9/2 1:00
保存
共有
印刷
その他

自民党は1日の総務会で安倍晋三首相(党総裁)の後継を選ぶ総裁選の方法を決めた。任期途中の辞任と新型コロナウイルス禍を党則の「緊急時」と位置づけ、全国一斉の党員・党友投票を見送る。党幹部は準備に2カ月かかるとみる。一方で各都道府県連が投票先を決める際、党員の意向を確認するよう促す。

 自民党の総務会に臨む(左から)鈴木総務会長、二階幹事長、岸田政調会長=1日午前、東京・永田町の党本部

自民党の総務会に臨む(左から)鈴木総務会長、二階幹事長、岸田政調会長=1日午前、東京・永田町の党本部

8日告示、14日投開票の日程で調整している総裁選は党大会に代わる両院議員総会で実施すると決めた。党所属国会議員の394票と、47都道府県連に3票ずつ割り振る地方票141票の合計535票となる。各3票の投票先は県連が自由に決める。

自民党は総裁選について、党則や総裁公選規程で原則、国会議員票とそれと同数の党員・党友票で競うと規定する。総裁が任期中に辞任するなど緊急時は例外的に両院総会方式で選出できる。

二階俊博幹事長は1日の総務会で例外規定を使う理由に関し「早急に体制を確立する必要がある」と説明した。

鈴木俊一総務会長は総務会後の記者会見で「通常は数カ月前から準備しており20日から1カ月でできる。今回はこれから準備すると約2カ月かかる」と述べた。

全国一斉に党員投票する場合、投票権を持つ党員を確定させる事務作業などを党本部が一手に負うため時間がかかるという。

党本部と各都道府県連の党員管理システムが一元化されていない。県連に入党を申し込むため、党本部が全国の党員を対象に投票権の有無を確認するには双方の情報を照合する必要がある。

通常時は総裁公選規程で告示から投開票までの期間を12日以上としなければならないと定める事情もある。今回は緊急時の例外規定を採用することで、同期間を7日とする方向で調整中だ。

総務会は通常30分~1時間ほどで終わる。1日は約2時間にわたった。コロナ対応など緊急性を重視する執行部の説明に中堅・若手議員らから異論が相次いだためだ。

笹川博義衆院議員らは全国一斉の党員投票を要望した。小泉進次郎環境相、小林史明青年局長らは執行部として各都道府県連に対し党員による予備選挙の実施などを促すよう主張した。

小林氏らは8月31日、党所属国会議員の3分の1を超える145人の署名を集め党員投票の実施を二階氏に申し入れた。小林氏は記者団に「両院議員総会の場合から追加で1週間あれば党員投票ができる」と訴えた。

都道府県連の動きも出てきた。東京都連は1日、総裁選で都連に割り振られる3票の投票先について、独自の予備選挙の実施を決めた。党員による郵送で投票を受け付け、最も得票の多かった候補者に3票とも投じる「総取り方式」とする。

兵庫県連、岩手県連なども県内の党員を対象に予備選挙を実施する方針を示している。

■識者の見方

◆「世論の反映選ばず残念」竹中治堅・政策研究大学院大学教授

一般党員の投票を実施しても良かった。自民党の総裁選は実質的に首相を決めるのだから、より多くの声を反映させた方が望ましい。世論の声を反映させる方法があったのにそれを選ばなかったことが残念だ。両院議員総会の方が党内の実力者の思惑で次の総裁を決められるという考えが働いたのは間違いない。

◆「オンライン投票導入を」河村和徳・東北大准教授 政党として幅広い声を聞いて多様な意見を吸収できることを見せるのが大事だ。ネット選挙時代になりインターネットで候補の主張を聞くことができる。党員投票に時間がかかるというのは理由になっていない。新型コロナウイルス対応でも新しい取り組みをすると言っているのだからオンライン投票をすればいい。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]